Rehabilitation

感染症と院内感染 – 感染症の現状と院内感染防止対策について

 
感染症の現状と院内感染防止対策について

ここ最近はインフルエンザだけでなく、風疹や結核の患者が増加しているようです。
どれも“感染症”と呼ばれるものですが、作業療法士にとっても必要な知識と言えます。
そこで今回はこの“感染症と院内感染防止の対策”について解説します。

感染症とは?

感染症とは、次のような定義で表されます。

感染症とは、環境中(大気、水、土壌、動物(人も含む)など)に存在する病原性の微生物が、人の体内に侵入することで引き起こす疾患

つまり、日常的に生活をしている環境には、目に見えない病原性の微生物が存在し、そのなかでも感染症を引き起こす微生物を“病原体”と呼びます。

感染症の歴史的背景

“感染症”に関する歴史的な大きな出来事としては、1929年にイギリスの“アレクサンダー・フレミング(Alexander Fleming)”による“ペニシリン”の発見があげられます。
そのペニシリン発見以降は、“抗生物質の時代”と言われるように感染症の治療法は飛躍的に発展しました。

新たな感染症の発生

しかしいくらウイルス性疾患に対するワクチン療法が発展したからといっても、感染症がなくなることはありません。
近年の感染症は常に新しい展開を示し、より強力かつ複雑になっているようです。

代表的な感染症としてはインフルエンザがあげられるね!
年々、ワクチンが効かなくなっていることもありますからね。

感染症の現状について

近年の感染症ですが、次のような2つの傾向を示していることがわかっています。

  1. 従来型感染症の変貌
  2. 新しい感染症の出現

以下に詳しく解説します。

①従来型感染症の変貌

1つ目の傾向としては、抗菌薬によって比較的容易に治療させることができる菌の感染症が、徐々に変貌しているという点があげられます。
その代表としては、

免疫不全宿主(immunocompromised host)における日和見感染の重症化

…があげられます。
これによって難治性の感染症が増加傾向にあります(MRSA感染症など)。

②新しい感染症の出現

2つ目の傾向としては、新しい病原微生物による感染症の出現です。
例としては、

  • HIV
  • HCV(C型肝炎ウイルス)
  • HTLV-I

…などがあげられます。

加えて、海外旅行者や輸入物を介して国内に持ち込まれ広がる“輸入感染症”も問題となっています。
この輸入感染症の例としては、

  • 旅行者下痢症
  • マラリア
  • ジアルジア症
  • アメーバ症
  • 細菌性赤痢
  • 腸チフス
  • コレラ
  • 性感染症(STD)
…などがあげられます。

院内感染防止対策について

病院といった医療機関に勤務する作業療法士は、特に“院内感染”の防止についても知っていないといけません。
というのも、他の医療スタッフよりも身体的な接触が多い分、感染するリスクだけでなく感染拡大につながるリスクも高いことが理由としてあげられます。

院内感染の対策としては主に次のようなものがあげられます。

  • 建築設備の基本対策
  • 感染対策のシステム化
  • 対策マニュアルの作成と活用
  • 適切な滅菌、消毒方法の実行
  • セラピスト自身の衛生対策
  • 環境汚染対策
  • 感染予防に対しての教育

建築設備の基本対策

病院の空調対策や洗面所といった手洗い設備の配慮だけでなく、掃除しやすい床面にするといった感染予防を意識した病院のハード面への対策が必要になります。

感染対策のシステム化

多くの病院では院内に“感染防御チーム”をつくり院内感染の発生予防、対策に努めています。
この感染防御チームの専任化と機能の充実化、そして情報交換のシステムの確立、感染制御ナースの活用など、院内感染に対しての仕組みをつくることが必要になります。

対策マニュアルの作成と活用

医療スタッフそれぞれが理解できるように、抗菌薬の適性使用方法、感染性廃棄物の処理方法、個々の感染性疾患に対する特殊対策などのマニュアルを作成し、活用できるようにすることが必要です。

適切な滅菌、消毒方法の実行

手洗い、手指消毒といった基本的な滅菌、消毒方法を実行することは非常に基本的ですがとても有効な院内感染予防といえます。

セラピスト自身の衛生対策

身体、服装の清潔保持はもちろん、基本的な衛生事項の遵守が必要です。

環境汚染対策

院内感染予防のためには、上記の病院のハード面への対策はもちろんですが、病室単位の清潔維持や空調の正常化、ベッド環境の清潔維持といったことも必要になります。

感染予防に対しての教育

なによりも病院に勤務している医師やナース、セラピストをはじめとしたコメディカルスタッフへの院内感染対策に関する教育が必要です。

まとめ

感染症についての概要を知り、感染症についての知識を深める事はクライアントの生活を支援する作業療法士にとっても必要なことと言えます。
また“院内感染”という下手をすれば病院の経営自体に大きなダメージを与える要因について、常に対策を考えておくことはどの医療スタッフにも求められるのだと思います。

作業療法士は語りたい!

“感染症”はどの生活環境でも起こり得るものだから、
作業療法やリハビリテーションの観点からも非常に知っておくべき知識だろうね!
感染症によって廃用症候群を招いてADL低下…なんてケース、多いですからね。

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