作業療法ではクライアントに提供する作業に“アクティビティ”があります。
でもこのアクティビティの意味や目的については案外曖昧なまま使っていることが多い気がします。
ましてや機能訓練ばかりでアクティビティをしている作業療法が少なくなった…なんて報告もちらほらと…。
今回はこのアクティビティについて、改めて考えてみました!

そもそも“アクティビティ”とは?



アクティビティ(activity)とは、英単語の意味としては「活動」や「活気」、「働き」といった意味で用いられる用語ですが、最近では旅行先での「遊び」や「体験活動」の意味で使われることも多いようです。
作業療法においてのアクティビティは「作業活動」として捉えられます。

その作業活動は、

・日常生活活動
・仕事、生産的活動
・遊び、余暇活動
に大きく分けられます。

アクティビティって「手工芸を用いての作業療法」って意味で使ってました。
「作業活動」とはいっても結局は、日常生活活動(ADL)や手工芸といった人間の行動すべてを含めるって見解もあるから、
一概に“アクティビティ(作業活動)=手工芸”と狭義の意味にはならないんだろうね!

作業療法においてのアクティビティの目的について



作業療法におけるアクティビティの目的について大きく分けると
①クライアントの障害に対しての治療的介入手段として
②クライアントの自己実現のため
の2つになります。

治療的介入手段としてのアクティビティ

そもそもアクティビティ(作業活動)を行うためには、身体機能だけでなく精神、心理、さらには環境、社会的な適応力に至る様々な機能を必要とします。

それらの機能を分類すると、

①運動(筋力、運動協調性、巧緻性、耐久力など)
②感覚(視覚、聴覚、触覚など)
③知覚(運動覚、図―地や空間関係の弁別、両側統合など)
④認知(注意力、概念化、読解、信号や記号の理解など)
⑤感情(自立、依存、象徴性、感情操作、現実検討など)
⑥社会性(対人交流、コミュニケーション、協調性など)
⑦文化(価値観、生活状況など)
⑧その他(年令適正、安全に対する注意、性的同一化など)
にわけられます。

アクティビティを治療的な介入手段として用いる際の目的としては、
これらの機能を統合的に向上させること…という捉え方ができると思います。

自己実現としてのアクティビティ

次にアクティビティの目的を「自己実現」の手段とすることについてですが、これはアクティビティ自体が目的と捉えられます。
この自己実現についての定義は解釈の違いによって様々ですが、おおまかには「人間としての豊かな自己の能力や個性を実現させていこうとするもの」とされています。

「高齢になったけど、こんなことができるんだ!」
「障害を持っているけど、こんなものも作れるんだ!」

といった加齢や障害によって限定的になってしまった能力でも可能なことを知り、それを通しての社会参加を行うこと、というのが作業療法のアクティビティにおける自己実現と考えられます。

まとめ

身障領域での作業療法場面では、どうしても機能訓練がメインになってしまっていること、アクティビティ=手工芸として扱い、その目的も「離床時間の延長」「精神賦活」といった部分的な目的のために導入しているようなケースが多くみられます。
正直言って「もったいない」と思っています。
もっと作業療法士のアクティビティによって多くの効果をクライアントに提供できるはずです!
改めて作業療法の作業活動(アクティビティ)がクライアントにもたらすことができる恩恵を考える必要があるのかもしれません。

作業療法士は語りたい!

OT協会が謳っている
「人は作業をすることで元気になれる」ってあるでしょ?
あれ、ありきたりなようだけどすごい的を得ているフレーズだと思うんだ!
結局人の生活ってのはいろんな「作業」の積み重ねですからね~

【参考文献・記事】
アクティビティと作業療法
作業活動の治療的利用