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VR(バーチャルリアリティ)をリハビリに応用した事例論文まとめ

 

ここ数年でVR(Virtual Reality:バーチャルリアリティ)はリハビリ医療でも少しずつですが使われ始めてきました。
このVRは今後の作業療法の在り方にも大きく貢献できると考えています。
そこで今回はVRをリハビリに応用した様々な事例を備忘録的にまとめてみました!

VRを利用したリハビリテーションの事例報告、論文まとめ

では、ざっくりですがVRを利用したリハビリテーションの事例報告についての論文で、主に海外のものをいくつかご紹介します。
ただ自分の英語力+Google 翻訳を駆使して翻訳をしたため誤訳している部分があるかもしれません。
もしお気づきの箇所がございましたらこちらまでご連絡ください。。。

①VRが小児火傷患者の疼痛抑制に効果があった事例


この論文では、頭部、片、腕、足に重度の熱傷(電気によるもの)を受けた11歳の男児に対しての作業療法中の痛み軽減のための補助的な方法としてVRを使用した事例報告のようです。
結果としてはVRなしの場合は痛みの程度が「激痛」だったのに対し、VR中には「中程度の苦痛」まで低下したようですね。
また痛みに対しての不快感もVRを使用中は「軽度」にまで低下したとの結果があります。
この際使用したVR機器は決して高価なものではなく、『Oculus Rift VRゴーグル』という400ドル程度の安価な機器を使用しています。
ただし、調べてみるとこの際のソフトウェアは火傷患者の疼痛管理のために特別に開発されたもののようです。

もちろんこの結果へのエビデンスのレベルとしてはまだまだ低いものかもしれませんが、VRによる楽しい時間を過ごす、という経験は熱傷患者の急性の痛みに対して有効な手段の一つになりえるかもしれません。

参考論文:「Feasibility of Articulated Arm Mounted Oculus Rift Virtual Reality Goggles for Adjunctive Pain Control During Occupational Therapy in Pediatric Burn Patients(小児の火傷患者における作業療法中の補助的な疼痛抑制のためのVRゴーグルの実現可能性について)」(ハンター.G.ホフマンら)

②VRが脳腫瘍による上肢機能訓練に効果があった事例



この論文では、脳腫瘍による上肢の機能不全の患者40名を、年齢が一致したグループと腫瘍のタイプが一致したグループの2つに分け、VRが上肢機能訓練にどのような利点があるのかどうか調査した研究結果について述べられています。
この2つのグループそれぞれに従来の作業療法、VRを使用しての作業療法それぞれを行い比較検討し、その際の評価としては「Box & Block TEST」「Manual Function Test(MFT)」「Fugl-Meyerスケール(FMA)」によって上肢機能を、加えて「Barthel Index」によって日常生活の活動を評価したようです。
その結果、それぞれの評価結果で大幅な点数向上がみられたようです。
特徴的なのはMFTの結果で、肩・肘・前腕機能といった比較的近位に位置する上肢機能の向上が目立ったことです。
つまり、この研究結果からVRによる中枢疾患患者に対しての上肢機能訓練は効果的であり、特に近位部の機能向上に効果的であることがわかりました。
ちなみにこの際使用したVRのソフトウェアプログラムは鳥や鳥、コンベヤー、ドラム、ジャグラー、ココナッツ、システムのサッカーVRプログラムのようです。

この論文ではMFTの結果より近位の上肢機能向上について触れられていますが、個人的にはVRによる視覚的フィードバックに感覚的なフィードバックを加える事で、遠位部の上肢機能…つまり手や手指によるGrasp-Release、Pinch機能といった巧緻能力の向上にも貢献できるのではないか?と期待しています。

参考論文:「Effect of virtual reality-based rehabilitation on upper-extremity function in patients with brain tumor: controlled trial.(脳腫瘍患者の上肢機能に対するバーチャルリアリティベースのリハビリテーションの効果:コントロールトライアル)」(Yoon Jら)

③VRが脳卒中後の歩行バランス改善に効果的だった事例



この研究では13人の脳卒中後遺症の対象者に対してVRによる歩行、バランス訓練を実施しています。
方法としては“Nintendo Wii”を用いたもので、20㎡の部屋にプロジェクターを設置した環境で行ったようです。その環境下でWiiと連動した運動や重心移動、バランス訓練、さらにはサッカーやボクシングといったゲームを使用した応用的な動作訓練も行ったようです。
結果としてはVRを含む治療的介入を受けたグループの方が歩行中のバランスの改善、転倒リスクの減少効果が高かったようです。

この研究ではWiiとプロジェクターを使用し投影した画面での視覚的フィードバックを使用しているので、VR=マウントディスプレイタイプ…のイメージが強い筆者としてはVRのイメージからは少し離れているのですが…。
こういった方法でもVRリハビリテーションとして利用できるのでしょうかね?

参考論文:「Therapeutic Effect of Virtual Reality on Post-Stroke Patients: Randomized Clinical Trial(脳卒中後患者に対するバーチャルリアリティの治療効果:無作為臨床試験)Erika Pedreira da Fonsecaら」

まとめ

作業療法によるリハビリテーションは、クライアントにとって楽しく、意欲的に取り組まれるものでなければなりません。
ただし提供する作業内容も、その環境や状況によっては限定的になってしまい、クライアントが求めるような内容に100%近づけることは難しいように感じます。
ただし、VRを作業療法を始めとしたリハビリテーション訓練に用いることで、限られた環境下でも非常にできることが多くなると考えられます。
ましてや脳卒中といった脳機能障害に対しては、非常に脳の可逆性を促進させるプログラムになりえるはずです。
今後VRを利用したリハビリテーション医療が一般化し、作業療法士の提供する支援ツールの一つとして活用されると面白いでしょうね!

作業療法士は語りたい!

ゲームを利用したリハビリは以前から少しですが報告はありましたよね!
前述したWiiを使用した臨床試験は一時期多かったイメージがあるね!
古典的な作業療法アプローチも大事でしょうけど、
こういったテクノロジーを応用したアプローチも一般化していくと作業療法士ができることがますます増えていくのかもしれませんね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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