リハビリテーション評価

脳卒中発症時の症状と、覚えておくべき“FAST”について!

 

脳卒中という病気は、なによりも迅速な判断と対応が求められます。
早急な処置を施されればされるほど、予後は良好になりまた発症前と同じような生活に戻れる場合は少なくありません。
そこで今回は『脳卒中発症時の症状』と、覚えておくべき“FAST”という標語についてまとめてみました。

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脳卒中発症時の症状について

脳卒中の発症時の症状については人によって千差万別です。
“意識を失って倒れる…”というのは一例なだけであって、すべてに当てはまるわけではないということを知っておかなければなりません。

ろれつがまわらなずうまく喋れない

比較的多くの方でこの症状がみられるようです。
また、ろれつが回らないという症状は本人自身も会話をしている他人にとっても気づきやすい症状ですから、結構発症時の様子を聞くと話題にあがりますね。

急に片側の手に力が入らなくなる

急に手に力が入らなくなり、持っていた物を落としてしまう…という症状も、脳卒中の初期症状の代表的なものといえます。
食事中に持っていた箸を落としてしまう…なんてことで気づく方もいらっしゃいます。

視野が半分になる

突然カーテンを片方閉めたように片目だけ見えなくなった…という場合も脳卒中の初期症状といえます。
他の症状でも言えますが、何分か症状が続き、しばらくしたらおさまったからそのまま様子をみる…なんて方もいらっしゃるようですが、この場合“一過性脳虚血発作(TIA)”と診断されるため、自己判断せずすぐに救急車を呼ぶなどの対応をしないといけません。

片目が見えなくなる

片方の瞼に力が入らなくなり、勝手に閉じてしまう…という脳卒中の初期症状がみられる方もいらっしゃいます。
この場合多くは、力が入らなくなる瞼と同じ側の顔面が垂れ下がったような症状も合わせて見られる場合が多いようです。

ものが二重に見える

今までなんともなかったのに、急に物が二重に見えるようになった…という方もいらっしゃいます。

顔の半分と片方の手足の感覚がおかしい

脳卒中の発症時に、片方の顔や手足にしびれる感じや明らかに感覚が鈍くなる…といった感覚障害の症状がみられる場合があります。

言葉が理解できない

意外に一般的にはあまり知られていない発症時の症状のような気がします。
相手の言っていることが急に理解できなくなり、本人はパニックになっても周囲はあまり深刻に感じず対応が遅れた…なんてこともあるようです。

言いたいことがうまく言えない

またなにか言おうとしても「あ、、、う、、」といったようにうまく喋れない。
言いたいことが頭では分かっているのにうまく口からでない…という症状も脳卒中の発症時の症状になります。
自分の状況、状態を上手く伝えることができないため、周囲の人の判断に委ねるしかなくなってしまいます。

半身に力が入らず歩きにくい

歩行に影響を及ぼすのも、わかりやすい脳卒中の発症時の症状かもしれません。
この場合は明らかに半身に力が入らず、うまく踏み込めない、膝が折れるようになってしまう…という症状で気づくことが多いようです。

ものにつまづきやすくなる

なんとか歩けるものの、急にものにつまづきやすくなった…という場合も危険と言えます。
ある程度は歩けてしまうので、あまり深刻に考えず対応が遅れてしまう…なんてこともあるので、明らかにつまづきやすくなったという場合はすぐに受診する必要があります。

バランスがとれずうまく歩けない

脳卒中発症時の歩行の症状でも、ふらふらする…バランスがうまく取れなくなって立つことも難しい…という場合も危険な状態です。
また、急激な転倒によって骨折するといった二次障害の危険性もあるため、すぐに座ったり、横になったりする必要があります。

急な頭痛と吐き気

急な頭痛と吐き気で倒れてしまう…という症状も多くみられます。
人によっては嘔吐する場合もあるようです。
くも膜下出血の場合の多くは「突然バットで殴られたような頭痛」が生じるケースが多いようです。

意識が朦朧とする

意識障害を伴う場合は、重症例が多いので大変危険な状態と言えます。
また自身の事について周囲の人に伝えられなくなってしまうため、その後の対応が遅れてしまうケースもあるようです。

激しいめまい

急に周りがぐるぐるしだしてめまいを起こしてしまうという症状も、脳卒中の発症時の症状と言えます。
ただし、程度が軽い場合は「疲れてるのかな?」で済ましてしまうことも多いので、あまりにもめまいが続く、他の症状も合わせて見られる場合はすぐに救急車を要請する必要があります。

けいれん発作

脳卒中の発症時にけいれん発作を起こす事例はあまり多くないようですが、決して0ではないので知っておく必要はあります。
この場合予後にてんかん発作が合併することも多いようです。

脳卒中のFASTについて


脳卒中の発症時の代表的な症状を取り上げて“FAST”という標語があります。
これは米国脳卒中協会でつくられた標語で、脳卒中を疑う人がいたらこの3つのテストをするように、と推奨しています。

・Face:顔の麻痺
・Arm:腕の麻痺
・Speech:言葉の障害
・Time:発症時刻

まとめ

意識障害や腕に力が入らない…といった明らかに“おかしい”と感じる症状でしたら、すぐに対応するのでしょうけど、めまいとか歩いていてちょっとつまづくといった症状の場合は案外見逃されてしまう場合があります。
一つだけの症状とは限らないので、“FAST”などを利用して、他の症状の有無を確認し早急な対応をする必要があるんでしょうね!

作業療法士は語りたい!

作業療法士も臨床や現場でクライアントの脳卒中発症に出くわす場合があるから、改めて知っておく必要があるね。
高齢者のクライアントの場合は、特にそうですよね!
あとは地域などに改めて脳卒中発症時の症状について伝える事で、予防にもつながっていくと思うんだ。
作業療法=発症後だけではなく、予防のための教育にも視点を向けることって大事なんでしょうね!

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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