老研式活動能力指標の特徴と目的、検査方法やカットオフ値について

高齢者のADL、APDLの評価はもちろん必要ですが、ICFの観点では「参加」といった項目にまで広げてそのクライアントの支援を行う必要があります。
そのための評価ツールの一つとして、老研式活動能力指標が広く使用されています。
今回はこの老研式活動能力指標についてその目的や方法、カットオフ値についてまとめてみました!

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老研式活動能力指標

老研式活動能力指標は、LawtonとBrodyによってつくられた“IADL Scale(手段的ADL尺度)を基に古谷野らが発表した指標です。
現在も広く使われており、スタンダードな指標とされています。

目的

セルフケア(+移動)であるADL能力の測定ではとらえきれない、「社会生活」を範囲に含めた生活能力を評価することを目的としています!

特徴

老研式活動能力指標は、それぞれ3つの尺度に分類される活動能力についての設問で成り立っています。

手段的自立

①バスや電車を使用し一人で外出できるかどうか?
②日用品の買い物ができるかどうか?
③自分で食事の用意ができるかどうか?
④請求書の支払いができるかどうか?
⑤銀行預金、郵便貯金の出し入れができるかどうか?

知的能動性

⑥年金などの書類がかけるかどうか?
⑦新聞などを読んでいるかどうか?
⑧本屋雑誌を読んでいるかどうか?
⑨健康についての記事や番組に関心があるかどうか?

社会的役割

⑩友達の家を訪ねることがあるかどうか?
⑪家族や友人の相談にのることがあるかどうか?
⑪病人を見舞うことができるかどうか?
⑬若い人に自分から話しかけることがあるかどうか?

やっぱり「社会的役割」についての項目が多いですね!
あくまでも“在宅で過ごす高齢者”の生活機能評価に適していると考えられるね!

使用方法と注意点

使用方法としては、各項目の設問に本人or本人の生活状況を良く知る家族などに回答してもらうようになります。
注意点としては、質問者の主観が入らないようにすることや、説明を自己判断で加えたり、誘導しないようにすることがあげられます。
また、「○○できますか?」という設問の場合、現在本人がしているかどうかは関係なく、あくまで“可能”か“不可能”かを判断する必要があります!

判定方法とカットオフ値

それぞれの設問項目に対して「はい」なら1点、「いいえ」なら0点と配点し、合計点を算出する判定方法になります。
ちなみにあくまでその対象の生活状況の評価目的のため、カットオフ値というものは定められてはいません。

老研式活動能力指標は古い?

初めて発表したのが1986年と30年以上も前なことからも、設問項目の一部は現代の高齢者のライフスタイルには適さない、網羅しきれていない…という意見もあるようです。
そこで様々な研究機関が現代の高齢者のライフスタイルに合わせた指標(例:JST版 活動能力指標etc)を独自に作成し、調査に活用している事例もみられます。
しかしまだまだ改定する余地もあるようなので、それ自体が完全な老研式活動能力指標の代替手段として使用できる…というよりは併用して使用するという方法がお勧めのようです!

老研式活動能力指標はもう古い?JST版活動能力指標について

まとめ

高齢者の社会生活の能力や意欲の指標として、今回は老研式活動能力指標をご紹介しました!
ICFの観点から考えても、健康な状態というのは単に心身の健康のみならず、積極的な社会生活を送ることも必要といえます。
回復期病棟リハや老人保健施設といったクライアントを地域に帰す…という立ち位置にいるOTだけでなく、介護予防に携わるOTにとっても、必要評価ツールと言えます!

作業療法士は語りたい!

ただ毎日なんの目標もなく生活するのと、
なにかしらの「生きがい」を持って生活するのとでは大きな違いがあるんだよね!
最近よく言われる「健康寿命」ってやつですね!
OTはこの「生きがい」への支援も行っていく必要があるんだと思うんだ!
そういった意味では「セラピスト」だけではなく「コーディネーター」的な動き方も必要かもしれませんね!