リハビリテーション評価

PULSES Profile(パルセス プロフィール)によるADL評価の項目と点数の付け方について!

 

クライアントのADLを評価する方法は様々ですが、今回は“PULSES Profile(パルセス プロフィール)”についてまとめてみました!
個人的にはADLの状況をスクリーニング的に把握するのにぴったりかなーって思ってます!

PULSES Profile(パルセス プロフィール)とは?

PULSES Profile(パルセス プロフィール)とは、クライアントのADLを評価する方法の一つです。
リハビリテーションの可能性を予測し、クライアントの回復の進行状況を評価ができるので、作業療法プログラム計画の立案や再構成に使用されることが多いようです。

元々、1943年に軍隊の徴兵と兵士の健康診断のためカナダ陸軍で開発された…という経緯もあるようです。

PULSES Profile(パルセス プロフィール)の6つの項目と点数について

PULSES Profile(パルセス プロフィール)はADL機能における以下の6つの項目を評価対象としています。

・P(Physical condition):身体状況
・U(Upper Limb Function):上肢機能
・L(lower Limb Function):下肢機能
・S(Sensory Components):コミュニケーションと視覚
・E(Excretory Function):排尿・排便機能
・S(Support Factors):知的、情緒的状態、家族単位の援助、経済力など支援要素

P(Physical condition)

PULSESの『P』は“Physical condition(身体状況)”を指します。
これは内臓疾患(心疾患・胃潰瘍・泌尿器)と神経疾患による障害も含みます。

1点:医療や看護の診療や指導を3か月以上必要とせず、医療の問題が十分安定している。
2点:医療や看護の診療や指導を3か月以内に必要であるが、毎週ではない。
3点:少なくとも毎週定期的な医療や看護のケアが必要であり、医療の問題が十分安定しているとは言えない。
4点:毎週集中的な医療や看護の管理(介助のみのケアを含む)をするような医療を必要としている。

U(Upper Limb Function)

PULSESの『U』は“Upper Limb Function(上肢機能)”を指します。
主に上肢機能によるセルフケアが該当する項目(飲食・服の着脱・整容・排尿や便の始末など)が評価対象です。

1点:上肢の機能障害がなく、セルフケアが自立している。
2点:上肢にわずかな機能障害があるが、セルフケアが自立している。
3点:上肢に機能障害があるか、セルフケアがまた無い場合においてもセルフケアに介助や指導が必要である。
4点:上肢に明らかな機能障害があり、セルフケアが全介助である。

L(Lower Limb Function)

PULSESの『L』は“Lower Limb Function(下肢機能)”を指します。
これは下肢機能による移動…椅子、トイレ、浴槽orシャワー、歩行、階段、車いすなどを含みます。

1点:下肢の機能障害がなく、移動が自立している。
2点:下肢にわずかな機能障害があるが、移動が自立している。
※歩行補助具の使用、装具または義肢、その他の建築上、環境的な障壁も問題にならず車椅子操作が自立している。
3点:下肢に機能障害があるか、またはない場合でも移動に介助や指導が必要である。
4点:下肢に明らかな機能障害があり、移動が全介助である。

S(Sensory Components)

PULSESの『S』は“Sensory Components(コミュニケーションと視覚)”を指します。
コミュニケーションは話す、聞くという感覚入力で、そこに視覚という感覚入力が対象項目に入ります。

1点:コミュニケーションと視覚に機能障害がなく、自立している。
2点:軽度の構音障害、軽度の失語、メガネや補聴器の使用、目のケアなどわずかな機能障害があるが、コミュニケーションと視覚が自立している。
3点:コミュニケーションと視覚に説明や指導が必要である。
4点:コミュニケーションと視覚が全介助である

E(Excretory Function)

PULSESの『E』は“Excretory Function(排尿・排便機能)”を指します。

1点:膀胱・直腸括約筋の完全な意識的コントロールがなされている。
2点:社会活動において、膀胱・直腸括約筋への緊急な対応ができ、またはカテーテル、器具、補助具などを介助なしにケアができる。
3点:括約筋のケアに介助が必要であるか、しばしば失敗する。
4点:しばしば失禁状態で濡れて汚れている。

S(Support Factors)

PULSESの『S』は“Support Factors(知的、情緒的状態、家族単位の援助、経済力など支援要素)”を指します。
この項目のように、本人以外の要素を考慮する点がPULSES Profile(パルセス プロフィール)の特徴でもあります。

1点:平常時役割を果たし、習慣的課題を遂行できる。
2点:平常的役割と習慣的課題遂行において幾分かの加減が必要。
3点:括約筋のケアに介助が必要であるか、しばしば失敗する。
4点:長期的施設ケア(稜耀が多忙いんやナーシングホームなど)に依存している(特別な評価、治療、または集中的リハビリテーションのための時限的入院を除く)

PULSES Profile(パルセス プロフィール)のスコアの付け方

上記の各項目それぞれを4段階(1点、2点、3点、4点)で段階付けし、すべての項目の合計スコアを算出します。
全ての項目が自立の場合は1点×6項目なので6点、全ての項目が全介助の場合は4点×6項目なので24点となります。
つまり、得点が高ければ高いほど、ADL介助量が大きいと判断されます。

得点が高ければ高いほど、自立度が高い“FIM“や“BI(バーセルインデックス)”とは異なるので注意が必要です!

まとめ

ADLの機能検査や評価ツールは様々ですが、PULSES Profile(パルセス プロフィール)の“S(Support Factors)”のように本人以外の要素を評価するという点では、非常に作業療法士向きとも言えます。
現在での作業療法の臨床や現場では、主にFIMBIが使われることが多いと思いますが、このPULSES Profile(パルセス プロフィール)も補助的に使用すると、よりクライアントのADL状況を包括的に把握でき、作業療法プログラムの立案と再構成に貢献できるのかもしれませんね!

作業療法士は語りたい!

ADLなんかはその個人の能力や状況、環境によって多種多様だからこそ、スコア化するって難しいと思うんだ。
だから敢えて複数の評価ツールを使用し、多角的に網羅して把握しておくってことも必要なんでしょうね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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