福祉用具

作業療法士が支援技術(AT)を利用することで可能となる5つのこと!

 

支援技術(AT:Assistive Technology)ってご存知ですか?
文言からその意味の予測はできるとは思いますが、その定義についてはなんとなく曖昧だったりするかもしれません。
今回は作業療法士の職域拡大のためにも必ず強みになる支援技術(AT)とはどのようなものか…について考えてみます!

支援技術(AT:アシスティブテクノロジー)とは?




そもそもアシスティブテクノロジー(AT:Assistive Technology)とは何なのでしょうか?
定義としては、
障害を持つ人々を支援するための技術全般
とされています。

このATは”障害児教育”や”特別支援教育”の分野でも使われています!
一般的に使われている“支援技術”、“支援工学”、 “福祉工学”、“福祉技術”はいずれもアシスティブテクノロジーを日本語訳したものと言えます。

ちなみにこの“支援技術”という言葉でも“支援技術機器”、“支援技術サービス”のそれぞれについては、1998年にアメリカで制定された『障害をもつ人のためのテクノロジーに関連した支援法(通称 Tech Act)』に以下のように定められています。

・ 支援技術機器(Assistive Technology Device)とは、買ってきたかそこにあったものか、手直しされたか、個人に合わせて作られたかに関わらず、障害のある人の機能を増大、維持、または改善するために使われるあらゆる装置、装置の部分、システムを指す。

・ 支援技術サービス(Assistive Technology Service)とは、障害のある人が支援技術装置を選ぶ、手に入れる、使用することを直接助けるあらゆるサービスを指す。
引用:障害をもつ人のためのテクノロジーに関連した支援法:Tech Act(1998年米国にて制定)

例えば「生活支援技術」って言ったらどちらかといえば介護技術のことを指すけど、
支援技術(AT)と呼称する対象はあくまでテクノロジー…
つまりハードウェアやソフトウェアといったコンピュータ関連のものを指すんだ。
障害を持つ人の機能を「維持」「改善」「増大」が目的のテクノロジーなんですね!

作業療法士がアシスティブテクノロジーを活用することよって何が可能となるか?



作業療法士がATをクライアントに提供することで、なにができるようになるか?
様々な可能性が考えられますが、以下に考えられる5つの変化をあげてみました。

①生活を自分でコントロールできるようになる

作業療法士として関わる領域では、環境制御装置などがATの代表としてあげられるかもしれません。
これからはAT=パソコンだけではなく、スマートフォンを始めウェアラブル機器、IoT機器といった分野にまで広がる可能性が高いです。
一昔まではその選択肢も限られていましたし、コストも高いため導入まで障壁が高かった印象を受けますが、最近では多くの企業がATに応用できるテクノロジーを扱っている背景から
比較的ローコストで導入できるようになった印象を受けます。

②家、学校、職場、社会の活動に参加し、貢献できるようにする



仮に移動手段がない場合や、移動能力が低い場合でも、IT技術やウェブサービスを利用することで自宅に居ながらも“社会参加”ができる機会は現段階でも多くあります。
もちろんその機会や方法は今後さらに増えることが予想されていますので、障害を持つ人にとっても“社会参加”の機会が増えてくると言えます!
今後作業療法士は医学的リハビリテーションから社会的リハビリテーションにシフトしていく必要があると思っていますので、この支援は作業療法士にとって非常に強みになると思っています。

③人との交流を広げる



インターネット上での交流といえば、人気があるのがFacebook,TwitterといったSNSサービスがあげられます。
当然といえば当然なのですが、これらのウェブサービスは無料で使用できますし、障害の有無に関わらず利用ができます。
パソコンやスマホの操作方法という点で障壁があったとしても、それを解決するためのATを利用することで利用が可能になれば、
障害を持たない人との交流だって、問題なく可能になります。
…ま、これも“社会参加”の一つではありますね!

④ピアカウンセリングに貢献できる



逆に障害を持つ人同士の関わりにもATは貢献できるといえます。
同じ悩みを共有することというのはピアカウンセリングの意味でも重要です。
ATを使用することによって障害を持つ人同士のコミュニティの形成が容易になることも考えられます。

⑤障害を持たない人と同等に利益を得ることができる



“利益”という観点から言えば、障害を持つ人の“就労支援”に貢献することもATの強みと言えます。
パソコンによる自宅でビジネス展開をする“SOHO(Small Office/Home Office)”や、在宅勤務制度を積極的に取り入れるようになっている情勢を考えると、“就労”という点に関しては障害の有無は大きな問題にならなくなってきているとも考えられます。
この点は職業リハビリテーションにも関わる作業療法士が強みを発揮して関われる領域でもあります。

まとめ

支援技術(AT)とはその人の機能を維持、改善、増大するためのテクノロジーです。
そのATによって障害の有無に関わらずいままで難しかったような社会参加も促すことが可能となります。
何度も繰り返しますが、今後作業療法士は医学的リハビリテーションから社会的リハビリテーションにシフトしていく必要があります。
ATは作業療法士がもっと強みにできる分野であるはずです!

作業療法士(OT)は語りたい!

OTって福祉用具には詳しくても、ATは全然…って感じですものね。
OTに関わらず、どうしても医療の分野はITの知識、技術は遅れている印象があるね。
ATだけでなく、ICT、IoTなんかも含めて将来的にOTが入り込むと職域の拡大につながるのかもしれないね!
参考文献:福祉情報技術コーディネーター認定試験テキスト
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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