作業療法士が障害者雇用を行う事業所(企業)に対してできることを考えた。

障害者の雇用、就労の課題を考えるにあたっては、雇用される側である障害を持つクライアント側だけでなく、受け入れる事業所側に立って物事をみることも必要だと思います。
そこで今回は企業といった事業所が障害者を雇用する場合、作業療法士としてできる事業所側に対してできることを考えてみました!

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作業療法士が事業所に対してできること

まず結論から言えば、以下の3つが考えられます。

①障害特性からの「関わり方」や「働きかた」の提案
②今後起こり得る課題を予後予測し早期対処
③労働生産性、労働環境改善へのコンサルテーション

では、それぞれ詳細について考えてみます。

①障害特性からの提案



事業所側は雇用する障害を有する人の特徴…障害特性というものに馴染みがない場合が多いことがほとんどのようです。
診断名や障害名から“概論”としての特徴を把握することはできても、そこに個性やパーソナリティーが加味した多種多様な特性については把握しづらく、どのように関わったらよいのか判断に困るケースが多いと思います。
そこの課題に医学的な知識、経験を持ち、さらにそこから総合的な評価が可能な作業療法士が介入することで、事業所にそのクライアントとどのように関わるのがベストなのか、またどのような働き方がよいのか、といった提案をすることができます。

②予後予測と早期対処



そのクライアントのパーソナリティーの傾向、障害特性といったものからおおまかでも今後どのような変化が起こるのか予後予測が可能です。
これは脳卒中後遺症の場合であったら痙性の亢進による痛みの誘発といった身体機能面だけでなく、人間関係や仕事に対しての意欲といったメンタル面、生活習慣からの総合的な健康面と言った点まで、幅広く扱うことが“生活を支援する”作業療法士には可能だと思います。
予後予測が可能であれば早期対処も可能になりますので、重篤な状態になる前に事業所側に改善の提案をし早期対処することが可能になります。

③労働生産性、労働環境改善へのコンサルテーション



障害を有しながらも働く場合、その障害が身体機能領域のものでも、精神機能領域のものでも仕事をする環境下でなにかしらの「働きにくさ」をダイレクトに感じるはずです。
これは裏を返せば「その労働環境の改善点を敏感に感じ取る能力」と捉える事ができます。
これはユニバーサルデザインの発想に近いものがあると思います。
ユニバーサルデザインの考え方は、「障害の有無に関係なく“すべての人”が“初めから”使いやすいようにデザインされたもの」ということです。
これは労働環境にも当てはめる発想と言えます。
障害を有する人が“働きやすい”職場環境、作業環境というものは、他の健常な人にとっては“さらに”働きやすくなる環境になります。
従来の環境を障害者雇用を通して改めて見直すことで、総合的な生産性の向上、環境改善につなげることが可能になります。
ただしこれは当事者であるクライアント-事業主のみではなかなか気づきにくい点でもあります。
そこで専門知識を持つ作業療法士がコンサルテーション的に関わることで、より効率的に労働生産性、労働環境改善を図ることができるのだと考えられます。

まとめ

どうしても「障害者の雇用」となると障害者雇用促進法によって定められていることから、企業にとっては義務的なもの、乱暴な言い方をしてしまえば“しょうがなく”行っているものという認識がいまだに多いようです(もちろん)全部とは言いませんが)。
もしくは、従来の障害者雇用の企業側のメリットとして「社会的なイメージの向上」としてしかとらえていない企業もちらほらあるようです。
障害者雇用を何か特別なこと、企業にとって大きな負担になることとして捉えるのではなく、「その企業が改善を図るための“触媒”のような立ち位置」として捉えることが雇用される側、雇用する側双方のメリットにつながるのではないでしょうか?
その双方への支援に作業療法士が関わることができるのかもしれません!

作業療法士は語りたい!

こうしてみると作業療法士ができることってすごい幅広いし多いのかな?って気づかされますね!
もともと作業療法は「職業療法」として活躍してきた歴史背景をみると、
これからは医療の現場から一歩外に踏み出した立ち位置で活躍することも必要になってくるのかもしれないね!
作業療法士の職域拡大になりますね!