作業療法評価学

mRS(modified Rankin Scale)による評価の目的や方法、判断基準などについて

mRS(modified Rankin Scale)という評価方法は、脳卒中患者の活動度や機能自立度を評価する際に比較的簡単に行える方法で、しかも国際的に使用されていることから多くの研究に使用されています。
今回はこのmRSの評価目的や方法、判断基準やエビデンスとmRSの様々な活用例についてまとめてみました!

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mRS(modified Rankin Scale)とは?

mRSとは“Modified Rankin Scale”の略で、読み方としては“モディファイド・ランキン・スケール”とされています。
脳卒中患者に対して使用される総合的な評価指標、になります。

mRSによる評価の目的について

mRSによる評価の目的についてですが、主に対象者の“機能自立度”の評価のために使用されます。
そのため脳卒中のリハビリテーション分野のみならず、脳卒中に関する医療分野で、世界的にも広く基準的に使用されている評価方法といえます。

mRSの対象について

前述したように、mRSの対象としては脳卒中の方を主に対象としています。

mRSの評価で使用する物品や環境について

mRSによる評価では、特に使用する物品や環境の指定はありません。

mRSの評価にかかる時間について

mRSを実施するのにあたっては、5~15分程度の時間がかかると言われています。

mRSの方法について

後述する質問項目を評価対象者であるクライアント、もしくはその家族に口頭にて行います。

mRSの得点と判定基準について

mRSの得点とその得点に対しての判定基準については以下のとおりになります。

得点 判断基準
0 まったく症候がない 自覚症状および他覚徴候がともにない状態である
1 症候はあっても明らかな障害はない:日常の勤めや活動は行える 自覚症状および他覚徴候はあるが、発症以前から行っていた仕事や活動に制限はない状態である
2 軽度の障害:発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える 発症以前から行っていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活は自立している状態である
3 中等度の障害:何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える 買い物や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とするが、通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要としない状態である
4 中等度から重度の障害:歩行や身体的要求には介助が必要である 通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要とするが、持続的な介護は必要としない状態である
5 重度の障害:寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする 常に誰かの介助を必要とする状態である
6 死亡

mRSのエビデンスグレードについて

mRSによる評価のエビデンスグレードについてですが、推奨グレードとしては“B”とされています。
理由としては、実施方法,妥当性,実行可能性,信頼性,反応性に関しての問題が見られた点にあり、今後この点を改善した指標が必要となってくるようです。

mRSとFIMの相関性について

mRSと運動FIM項目の合計点はおおむね相関することが報告されていて、

・入院時mRS – 入院時運動・総合FIM
・退院時mRS – 退院時運動・総合 FIM
の間で強い相関を認めることができています。
このことから、mRSは運動・総合FIMの代用として臨床や現場での使用が可能との見解もあります。

参考論文:modified Rankin Scale(mRS)の有用性について

mRSが病院のクリニカルインディケーター(臨床指標)として活用されている?

この脳卒中患者の機能自立度を評価するmRSですが、国際的にも基準化されている評価のため臨床や現場で非常に様々な指標に使用されているようです。
岐阜県の松波総合病院では、入院前、退院時のmRSの変化率から、脳卒中患者に対しての病院としてのクリニカルインディケーターとして使用することで、病院(リハビリテーション)が提供している質を数値化し提示しています。
参考:松波総合病院公式サイト

まとめ

脳卒中の機能自立度を評価することは、予後予測だけでなくリハビリテーションの介入によってどのように変化したかという客観的な指標にもつながっていくことになります。
作業療法士としてのクライアントに対しての価値提供をどの程度できているのか、関わる医療機関がクライアントの脳卒中による障害をどの程度まで改善につなげられたのか、今後セラピストも病院も生き残っていくためには、明確に数字で示す必要があります。
その判断基準の一つに今回のmRSが使用されることも考えられますね!

作業療法士は語りたい!

国際的にも使用されているmRSがエビデンスグレードBなんですね!
どうしても評価者の主観的なバイアスがかかってしまう方法だから、再現性への懸念が議論されているようだね!
評価ですから、誰が何度行っても一定の基準を保つ必要性がありますからね!
そのバイアスをできる限り軽減するために問診の様子をビデオ撮影して時間をおいてから再度mRSを実施し、
その差を統計的に示す…なんて試みも行っているみたいだね!

参考論文:modified Rankin Scaleの信頼性に関する研究

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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