就労支援における動機とインフォームドコンセント・チョイスの重要性について

就労支援において、クライアントと作業療法士をはじめとした支援側との間に温度差があるとその介入は非常に困難になってきてしまいます。
スムーズな就労支援を行うためにも、クライアントの働くことへの“動機”を捉え、インフォームドコンセントを行い、インフォームドチョイスをしっかりと促すことが必要になってきます。
今回はこの“動機”と“インフォームドコンセント”、“インフォームドチョイス”の重要性と流れについてまとめてみました!

Sponsored Link

就労支援における動機と自己決定の重要性

就労支援において、「働くこと」に対してのクライアント自身の“動機”と、“自己決定”が非常に重要になってきます。

働くことの動機について

「働くこと」は社会生活を過ごすうえで重要な要素の一つです。
ただしこの「働くこと」は生活費を稼ぐためという手段から、自己実現をするためといった幅広い意味を有しています。
あくまで「働くこと」を作業療法によるセラピー的側面を持つ活動と捉える場合、そこには主体的に取り組むための“動機”が存在します。
誰かや何かに強制されて“やらされている”という働き方では、決してクライアントにとって有益な活動とは言えなくなってしまいます。

インフォームドチョイスについて

インフォームドチョイスとは、「説明を受けた上での選択」を意味します。
支援側から就労支援に関する様々な方法についてのいくつかの選択肢を提示し、それぞれのメリット、デメリットも提示し説明します。
それを理解してもらった上で、選択肢を吟味・検討しクライアント本人に自己決定してもらいます。
就労支援において、クライアントはいくつかの選択肢のなかから“自分で選らんで決めた!”という自己決定が重要になります。

インフォームドコンセントの手順について

就労支援においてのインフォームドコンセントは、働こうとする本人に作業療法士が「どんな状況に置かれ、就労しようと考え、その過程と結果からどのようなメリットとデメリットが生じるのか?」を説明し、相互に話し合い、本人の同意を得る過程です。
その手順としては、

①就労することに関する動機の確認
②就労準備条件・職業選択条件・職場定着条件などの評価結果について、クライアントと作業療法士が共有している内容を確認する
③評価結果から就労準備訓練として行う「課題」を相互に確認する
④就労準備訓練の結果から就労条件の設定される内容に対して、どんなメリットとデメリットがあるかを抽出し確認する
⑤本人がいくつかの就労条件の設定から自己決定する

①でクライアントの動機を確認し、②③④で就労支援においての情報や条件を提示し、⑤で自己決定を促す…こんな流れになります!

まとめ

「働くこと」には様々な手段的要素が含まれています。
ただし、障害の種類・有無に関わらず「働くこと」をセラピー的要素を軸に捉えるためには、そこには「動機」が必要になります。
クライアントへの就労支援においては、まずこの動機を確認し、その後支援における評価結果や就労における様々な情報を提示するインフォームドコンセントを行い、最後にクライアント自身が自己決定するインフォームドチョイスを行う流れが重要になってきます。
この流れをしっかりと念頭に置いたうえで、作業療法士はクライアントに就労支援サービスを提供する必要があります。

作業療法士は語りたい!

「働くこと」に関することって、主体的でないとつらいですものね。
よく言われる「働いたら負け」という考え方は、そもそも働くことを手段として捉えていない場合が多いと言えるね。
働くことに対してのマインドセットを変えていくことも、就労支援のスタート地点である「動機」を捉えるための介入の一つになると考えられますね!