食事動作を作業療法の視点から分析するときに必要な4つの視点とは?

ADL動作の一つである「食事動作」は、多くの作業療法士が関わるADL動作と言えます。
今回は食事動作を作業療法の視点から分析するときに必要な4つの視点についてまとめてみました!

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食事とは?

食事とは、基本的には栄養、すなわち人間が生命を維持し活動し成長をするために必要な栄養素を摂る行為である。通常は何らかの食材を調理してできた料理、あるいは食品を食べる形が一般的である。ただし、栄養をとるためとは言うものの実際には人間は、栄養素の摂取のためだけでなく、家族や仲間と一緒に「満たされた時間」を和やかにすごすため、《分かち合い》を実感するため、味を楽しむため、料理を作ってくれた人(母親など)の愛を実感するため、等、様々な目的や意味を込めつつ食事をしている。
引用:wikipedia

つまり「食事をする」ということは、人間の“生命維持活動”と“基本的欲求”であることが根本としてありますが、現代社会のように食べ物の種類が豊富で、文化も多様化した社会においては、「楽しみ」や「他者とのコミュニケーション」といった社会的な側面を持つ重要な活動とも言えます。

食事動作を分析するときに必要な4つの視点

では、大枠ですがOTがクライアントの食事という活動に対して必要な視点を4つにわけてまとめてみます。

①姿勢への視点


OTが食事姿勢に介入する際のポイントとしては、まず“支持面が安定しているかどうか”の確認があげられます。
食べる姿勢として柔らかいベッド上で食べるよりもある程度、座面が堅いもので左右前後歪みがない物かどうか、支持面に合せた座面の広さと座る位置が適切か、足底がしっかりついていて安定しているか…という姿勢を評価した上でリーチ動作のしやすさを見ていきます。
また使用するテーブルの高さや形状の選択を姿勢を見て修正を行う場合もあります。

②上肢機能への視点


姿勢が整った上で次に食べ物やお椀に対してのリーチ動作といった上肢機能の評価が必要になります。
ここで食事の動作分析を行う必要がでてきますが、上肢機能に関しては、

①箸やスプーンなどの食事用具の把持
②食べ物へののリーチ動作
③食べ物の把持
④口への運搬
といった工程に分けられます。

これらの工程がそれぞれ、安全に可能かどうか、過度な負担がないかどうか、咀嚼や嚥下のしにくさに繋がらないかどうか…といった視点を加えつつ分析的に評価していきます。

③食事用具への視点


食事用具の選定も代償的アプローチとしてはOTが行う必要がある介入と言えます。

食器:素材、型、大きさ、重たさ
スプーン:太さ、長さ、向きの調整
箸:太さ、長さ、つまみと開きの調整
茶碗:深さ、色、取っ手
皿:深さ、色、仕切りの有無、仕切りの数

といった点に注目してクライアントが使いやすい食事用具を選定することも必要です。

④環境への視点


食事を行う環境についても工夫が必要です。
認知症や注意障害のクライアントの場合は、食事に対しての集中が向きにくくならないように、音や視覚刺激をできるだけ減らすような環境調整が必要です。
また本人が楽しく食事をできるような雰囲気作り…という視点も必要と言えます。

まとめ

食事は「生きていくために必要な活動」ではありますが、同時に社会的なコミュニケーションとしての活動にも成り得る重要なものです。
ましてや障害を有していたり、高齢で様々な喪失体験を繰り返しているようなクライアントにとっては、「楽しみ」につながる活動とも言えます。
OTとして食事を支援するということは、ADL動作だけでなく、QOLにも関わっていくという発想も重要だと考えられます。

作業療法士は語りたい!

食事動作を分析的にみる場合、
動作だけではなく環境にまで目を向ける必要があるんですね!
OTはクライアントの身体機能だけでなく、その動作、活動そのものに影響を与える環境にまで目を向ける、
包括的な支援が必要なんだよね!
頭では分かっているけど、ついつい一部分だけに目が行きがちになってしまいますからねー。