職業・産業リハ

産業看護師について(資格や業務内容、人数や報酬)を調べてみました!

 

企業で働く看護師…産業看護師ってご存知でしょうか?
働き方が重要視されている昨今、職業生活における健康管理、健康維持は多くの人の課題にもなっています。
作業療法士の産業分野進出を考える際、この産業看護師についても知っておかなければならないと思い、今回まとめてみました!

産業看護とは?



産業看護の定義として、日本産業衛生学会の産業看護部会では、

産業看護とは、事業者が労働者と協力して、産業保健の目的を自主的に達成できるように、事業者、労働者の双方に対して、看護の理念に基づいて、組織的に行う、個人・集団・組織への健康支援活動である。
引用:産業衛生学会 産業看護部会公式サイト

と定めています。

産業看護の目的



また、産業看護の目的についても以下のとおりに定めています。

①職業に起因する健康障害を予防すること
②健康と労働の調和を図ること
③健康および労働能力の保持増進を図ること
④安全と健康に関して好ましい風土を醸成し、生産性を高めることになるような作業組織、労働文化を発展させること
引用:産業衛生学会 産業看護部会公式サイト

産業看護の主な業務



産業看護の主な業務についてですが、これは勤務先の業務形態によっても違いがあるようです。
産業看護師として企業で勤務する場合、主に「医務室」所属になることが多いようですがホワイトカラーの従業員が多い企業内でしたら主な業務はメンタルケアになってきますし、ブルーカラーの従業員が多い場合はケガに対しての処置が主な業務になってきます。

しかしその業務形態は違っていても、病院やクリニックといった医療機関とは異なる企業内での産業保健活動になるので、共通する主な業務としては以下のようなものがあげられます。

①健康診断の実施
②保健活動
③健康相談
④メンタルケア
⑤病人・けが人の応急処置
⑥職場環境の改善

①健康診断の実施



この健康診断について産業看護士にとって最も重要な業務といえます。
社員が健康で働き続けることを支援するため、社員の健康状態のチェックと病気や疾病の早期発見を目的としており、予防の観点からも必要不可欠な業務になります。
健康診断の流れとしては、企画の段階から関わり、日程や場所、注意事項や予算をまとめ準備、実施し、さらにその結果の管理、判定とフィードバックという形になります。

②保健活動



この保健活動も社員の病気の予防に関する業務になります。
最近では生活習慣病の啓蒙活動や、健康診断結果からのアドバイスなどを行います。
この保健活動も産業看護師の重要な業務になることから、ダブルライセンスとして保健師の資格を持って活動している方もいるようです。

③健康相談



健康診断の結果報告による相談業務も重要ですが、社員の職業生活を支援するためにも常日頃社員とコミュニケーションを図り、評価の意味で観察しておくことが必要なようです。
最近では社内メールなどで相談業務を行う企業もあるようなので、健康に対しての資料作成なんかも必要になってくるのかもしれません。

④メンタルケア



最近非常に重要視されているのがこのメンタルケアです。
労働安全衛生法の改正によって社員へのストレスチェックが義務化されたのもあり、社員の心のケア、心の病気の予防への関心が高まっています。
また精神面でのトラブルによって休職している社員への復職支援業務も行う場合があるようです。

⑤病人・けが人の応急処置



怪我に対しての応急処置業務ですが、これは製造業や化学薬品を使用する企業内で特に重要視されている業務です。
何かしらの怪我や事故が起こった場合、いち早く対処し、必要時は病院への搬送を行わなければならないので、ガイドラインやマニュアル作成業務も行う場合があるようです。

⑥職場環境の改善



職場環境の改善については、社員がより健康的に業務を行うことができるかどうか、環境面や勤務形態について看護師の視点で関わっていきます。
長時間労働や過重労働の対策も最近は多いようです。

産業看護に必要な資格要件について

産業医のように医師の資格を取得したうえで特別な教育を受ける…というようなプロセスはなく、基本的に看護師の資格があれば、企業で雇用された段階で産業看護師として業務を行うことができます。

しかし、医療機関で働く看護師の技術と知識以外のものも産業看護師にとっては必要になってくるので、衛生管理者や産業カウンセラー、精神対話士や交流分析士、保健師といった資格を保有している方も多いようです。

産業看護の割合や人数について



産業看護師について詳しい人数や割合のデータはあまり公表されていないようなのですが、産業保健師は全体の約8%というデータがあります。
求人自体も少ないことから、全看護師のうちでも数パーセント程度と考えられますね。

産業看護の雇用について



産業看護師の雇用形態についてですが、医療機関とは異なるため夜勤や急な呼び出し、祝祭日の勤務などがないため比較的ワークライフバランスが取りやすいと言われています。
しかしその分医療機関の看護師よりも給料が少ない、純粋な看護業務以外の事務仕事なども多いため(人によっては)やりがいを感じにくい…なんてこともあるようです。

産業看護×産業作業療法を考える



これらの産業看護師の業務内容を考えると、産業作業療法士はその企業の社員に対しての保健活動、健康相談、メンタルケア、職場環境の改善業務に対して作業療法士としての視点を加えてより質の高い産業看護サービスを作ることができるのかもしれません。
絶対数が少ない産業看護師にとってはその情報量も少なく、ほぼ手さぐりの状態で業務を行っている例が多いことが予想できます。
「どのように企業内で産業看護活動したらよいのかわからない」「いま提供している産業看護サービスでよいのか不安」という状態を脱するためにも、同じコメディカルだからこそできる産業作業療法士のコンサルテーションが必要になってくるのかもしれません。

まとめ

企業内で働く産業看護師の主な業務や役割は、応急処置はもちろん重要視されているのは「予防」ということが分かりました。
今後定年年齢の引き上げや雇用形態の変化など、働き方自体が変わってくるとその働くことに対しての支援が非常に重要視されるようになってきます。
産業医はもちろん、産業看護師が活躍し、より働きやすい職場がつくられるようにする必要があるんでしょうね!

作業療法士は語りたい!

なんで産業看護師の求人って少ないんでしょうかね?
その理由は様々だろうけど、単純に「産業看護師を雇うまでの経営的余裕がない」ってのが主な理由かもね。
中小企業っていうよりは大企業での求人の方が割合としては多いですからね。
逆に考えれば、求人が少ないなら産業看護師自体の雇用形態を変えるって視点も必要かもよ!
看護師のフリーランス…フィールドナースって働き方ですね!
あとは企業へも社員の健康保全をすることで長期的に見れば経営的にもメリットがあるってことを示すことも必要かもね!
ビジネス的な視点も必要なのかもしれませんね!
これは産業作業療法士にも言えることでしょうね!
そういった意味では「産業作業療法研究会」では企業内での産業作業療法士のアイデンティティの確立の仕方も提案していきたいね!
…あ、なんか営業っぽい(苦笑)



 

おすすめ記事

職業準備訓練はあくまで“準備”を高める事が重要って話。 アドラー心理学は相手の性格の傾向を知る一つのツールになるって話! アドラー心理学で考える作業療法の技術について! 自動車運転適性検査における必要な神経心理学的検査をまとめてみた! 作業療法士は多くの映画を観るべきだと思う10の理由

関連記事

Sponsored Link

OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
PAGE TOP