リハビリテーション評価

尿失禁によるQOLの評価であるICIQ-SFについて!

 

ADLでもある排泄行為のなかでも、尿失禁というトラブルは直接命にかかわるものではありません。
しかし、本人の自尊心を傷つける事、介護者の精神的な負担にもつながることから非常にQOLの低下を招きやすい問題と言えます。
そこで今回は尿失禁によるQOLを評価するための質問票である“ICIQ-SF”についてまとめてみました!

ICIQ-SFとは?

ICIQ-SF(International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form)は、2001年のパリで開催された第2回国際尿失禁会議にて採択されました。
開発自体は1998年から始まり、最初は10項目の質問事項からなる開発版を使用し、内容的妥当性、構成概念的妥当性、信頼性、反応性について分析、検証が行われたようです。

そもそも、それまでは日本では尿失禁の診断におけるQOLの定量的な評価はあまりされなかった…ようですね。

ICIQ-SFの日本語版について

ICIQ-SFの日本語版としては“尿失禁症状・QOL評価質問票”とも呼ばれています。
3項目からなるshort-formの質問票として臨床や現場で使用されています。

ICIQ-SFの対象について

ICIQ-SFは男女、年齢を特に問わず、尿失禁の種類も問わないで使用できます。

ICIQ-SFの質問項目について

Q1.どれくらいの頻度で尿が漏れますか?

頻度 点数
なし 0
おおよそ1週間に1回あるいはそれ以下 1
1週間に2〜3回 2
おおよそ1日に1回 3
1日に数回 4
常に 5

Q2.あなたはどれくらいの量の尿漏れがあると思いますか?

(あてものを使う使わないにかかわらず、通常はどれくらいの尿漏れがありますか?)

頻度 点数
なし 0
少量 2
中等量 4
多量 6

Q3.全体として、あなたの毎日の生活は尿漏れのためにどれくらいそこなわれていますか?


(全くない) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10(非常に)
         

Q4.どんな時に尿が漏れますか? (あなたにあてはまるものすべてをチェックして下さい)

□なし:尿漏れはない
□トイレにたどりつく前に漏れる
□咳やくしゃみをした時に漏れる
□眠っている間に漏れる
□体を動かしている時や運動している時に漏れる
□排尿を終えて服を着た時に漏れる
□理由がわからずに漏れる
□常に漏れている

ICIQ-SFの点数と解釈について

点数ですが、Q1~Q3までの質問に対しての回答の点数合計は21点満点となり、点数の高いほど重症となります。

ICIQ-SFの妥当性、信頼性、反応性について

ICIQ-SFにおいて、

信頼性はkappa値0.57~0.90(テスト-再テスト法での一致率)
内的整合性はCronbachα係数0.95
反応性についても優位な変化をもたらした
…という結果があります。

ICIQ-SFのカットオフ値について

ICIQ-SFは尿失禁におけるQOLの評価として使用されているので、カットオフ値で判定するというよりは、
複数回行った際の点数の変動を比較検討する…という使用方法が前提となっていると考えられます。

ICIQ-SFの質問用紙(pdf)について

現在インターネット上にICIQ-SFの質問用紙(PDF)があるので使用する場合はこちらからダウンロード可能です。
*松原徳洲会病院の公式サイトにリンクします

まとめ

QOLの評価はあっても、尿失禁に特化したQOLの評価方法、質問用紙というものは少ないように感じます。
介護においても排泄に関するトラブルは本人、介護者両者のQOLを非常に下げてしまうことからも、優先的に改善するように介入すること、定量化して比較検討することが必要になってくると思います。

作業療法士は語りたい!

現在その尿失禁というトラブルを、客観的な状態かつ本人の心理的負担の状態を
定量的に把握するということは、支援する前段階としては非常に重要なことでしょうね!
漠然と「尿失禁で困ってるんです」では具体的な対応もしにくくなるだろうからね。
多様性に富む事象だからこそ、数値にして定量的に判断する視点は必要ですね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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