FIMによる評価方法と採点基準や具体例についてまとめてみた!

ADLの評価方法でも、国際的に使用基準が選定されていることから広く使われているのがFIMです。
今回はこのFIMによる評価方法とその点数の付け方、そしてそのポイントについてまとめてみました!

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FIMとは



FIM(機能的自立度評価表)は、その対象を限定せず様々な疾患に対して使用することができるスケールです。

目的



FIMによってクライアントを評価する目的ですが、その対象のADL能力を評価し、それを支援する介助量を7段階に判定することが目的…とされています。

特徴



FIMは運動に関する13項目、認知に関する5項目の系18項目で成り立っているのが特徴です。

注意点

FIMによって採点する場合、以下の3つの注意点に気を付ける必要があります。

①対象者の「しているADL」を採点
②一日内でそのADL能力に変動がある場合は、最低点を採用
③いくつかの項目は平均点を記載

①対象者の「しているADL」を採点

BIは対象者の「できるADL」を採点するのに対して、FIMでは実際に「しているADL」を採点します。
つまり、院内のOTであったらOT室で模擬的に行われる動作や活動ではなく、実際に病棟生活で行われているADLを採点対象とすることになります。

②一日内でそのADL能力に変動がある場合は、最低点を採用

採点対象であるクライアントの年齢や疾患の特徴、使用している内服薬の副作用などによってはそのADL能力に日内変動が起こる場合があります。
その場合、どちらの「しているADL」を採点対象にするかというと、基本的には低い方の点数をつけることになります。

③いくつかの項目は平均点を記載

採点するときの注意点として「低い方の点数をつける」以外には、「平均点をつける」という項目もあります。

・整容
・清拭
・更衣(上衣)
・更衣(下衣)
・トイレ動作
・記憶
に関しては「平均点」をつけることになります。

FIMの評価項目について

FIMの評価項目ですが、大きく分けると「運動」と「認知」の2つに分けることができます。

運動(13項目)

セルフケア(6項目)

・食事
・整容
・清拭
・更衣上半身
・更衣下半身
・トイレ動作

排泄コントロール(2項目)

・排尿管理
・排便管理

移乗(3項目)

・ベッド・椅子・車椅子移乗
・トイレ移乗
・浴槽・シャワー移乗

移動(2項目)

・歩行・車椅子
・階段

認知(5項目)

コミュニケーション(2項目)

・理解
・表出

社会的認知(3項目)

・社会的交流
・問題解決
・記憶

FIMの採点基準について

FIMの各項目を採点する際の基準については以下の通りになります。

7点:完全自立
全ての課題を通常通りに、適切な時間内に、完全に遂行できる。

6点:修正自立
課題を遂行するのに補助用具の使用、通常以上の時間、安全性の考慮のどれかが必要である。

5点:監視・準備
介助者による指示や準備が必要である。
体には触らない。

4点:最小介助
手で触れる程度の介助が必要であるが、課題の75%以上を自分で遂行できる。

3点:中等度介助
手で触れる程度以上の介助が必要で、課題の50%以上を自分で遂行できる。

2点:最大介助
課題の25%以上50%未満を自分で行う。

1点:全介助
課題の25%未満を自分で行う。

各項目の採点と具体例について

以下に7点(完全自立)~1点(全介助)に採点されるFIMの各項目について一つの具体例をあげながら説明してみます。

食事

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 普通のスプーン使用・バネ付箸を使用して自立
6点 修正自立 きざみやとろみといった特別食だが動作は自立
5点 監視or準備 蓋開けやストローの介助が必要
4点 最小介助 食べやすいように食べ物を集めてもらうなどの介助が必要
3点 中等度介助 動作の半分以上は一人で可能
2点 最大介助 食事動作の半分以上は介助が必要
1点 全介助 胃瘻や経鼻管栄養を利用or食事動作が全介助

整容

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 自分で準備や片づけなども含め自立。
6点 修正自立 自助具を使用し自立。
5点 監視or準備 歯ブラシに歯磨き粉をつけるなど準備が必要だが、あとは自分で可能。
4点 最小介助 一部介助が必要(洗顔は可能だが、うがいで介助が必要etc)
3点 中等度介助 整容動作の半分以上は一人で可能
2点 最大介助 整容動作の半分以上は介助が必要
1点 全介助 整容動作が全介助

清拭

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 加工していない長めのタオルなどを使用し自立している。
6点 修正自立 自助具を使用し自立。
5点 監視or準備 入浴やシャワー浴は可能だが、事前にシャワーチェアの準備が必要
4点 最小介助 タオルを絞る、転倒しないように体を支えるといった介助が必要
3点 中等度介助 清拭動作の半分以上は一人で可能
2点 最大介助 清拭動作の半分以上は介助が必要
1点 全介助 清拭動作が全介助

更衣(上半身)

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 上衣の更衣動作が準備も含めて自立。
6点 修正自立 自助具を使用して自立
5点 監視or準備 ベッドサイドに事前に準備が必要
4点 最小介助 一部介助が必要(ボタンをかける、片腕を通す、たごまりの修正etc)
3点 中等度介助 上衣の更衣動作の半分以上は一人で可能
2点 最大介助 上衣の更衣動作の半分以上は介助が必要
1点 全介助 上衣の更衣動作が全介助

更衣下半身

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 下衣の更衣動作が準備も含めて自立。
6点 修正自立 自助具を使用して自立
5点 監視or準備 ベッドサイドに事前に準備が必要
4点 最小介助 一部介助が必要(片足を通す、靴下は介助が必要etc)
3点 中等度介助 下衣の更衣動作の半分以上は一人で可能
2点 最大介助 下衣の更衣動作の半分以上は介助が必要
1点 全介助 下衣の更衣動作が全介助

トイレ動作

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 下衣の上げ下げも含めて自立。
6点 修正自立 下衣の上げ下げの際、自助具や手すりが必要
5点 監視or準備 陰部清拭や下衣の上げ下げに声掛けや見守りが必要
4点 最小介助 転倒の危険性があるため支持が必要
3点 中等度介助 衣服の上げ・下げ・陰部清拭の3項目のうち1項目のみ介助(臀部清拭のみ介助など)
2点 最大介助 |衣服の上げ・下げ・陰部清拭の3項目のうち2項目orすべてに介助が必要
1点 全介助 全介助が必要(基本はおむつ使用でまれにポータブルトイレを使用する…という場合でも全介助とみなす)

排尿管理

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 失禁や失敗がない
6点 修正自立 リハビリパンツ、パットを使用し、連日失禁しているが自分で交換が可能。
5点 監視or準備 ポータブルトイレの処理が介助を要する。月1回以下の頻度での失敗。
4点 最小介助 日中はポータブルトイレ自立でも夜間は尿器介助。週に1回失敗がある。
3点 中等度介助 一日に1回以下失敗がある。
2点 最大介助 |毎晩失禁の状態。時間誘導や導尿の頻度が多い。
1点 全介助 毎回失敗。留置バルーン使用の状態。

排便管理

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 失禁や失敗がない。
6点 修正自立 内服薬を自己管理し使用している。
5点 監視or準備 内服薬や浣腸の準備が必要。月に1回未満の失敗がある。
4点 最小介助 週に1回失敗がある。隔日に座薬使用。
3点 中等度介助 一日に1回未満(2日に1回程度)失敗がある。
2点 最大介助 |連日1回程度の失敗がある。
1点 全介助 毎回失敗。

ベッド・椅子・車椅子移乗

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 手すりや自助具なしで完全に自立。
6点 修正自立 移乗の際に手すりを使用。
5点 監視or準備 移乗の際に見守りが必要。
4点 最小介助 転倒防止のために軽く介助が必要。
3点 中等度介助 膝折れによる転倒防止のため、軽く引き上げる介助が必要。
2点 最大介助 しっかりと引きあげ、ステップも介助が必要。
1点 全介助 全介助の状態。

トイレ移乗

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 特に時間もかからずに自立している。
6点 修正自立 トイレ移乗の際に手すりが必要。
5点 監視or準備 移乗の際に見守りが必要。
4点 最小介助 転倒防止のために軽く介助が必要。
3点 中等度介助 膝折れによる転倒防止のため、軽く引き上げる介助が必要。
2点 最大介助 しっかりと引きあげ、ステップも介助が必要。
1点 全介助 全介助の状態。

浴槽・シャワー移乗

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 特に時間もかからずに自立している。
6点 修正自立 浴槽ボードや手すりが必要だが、自立している。
5点 監視or準備 シャワーチェアやマットの準備が必要。
4点 最小介助 浴槽へ出入りする際に片足のみ介助が必要。
3点 中等度介助 浴槽へ出入りする際に両足の介助が必要。
2点 最大介助 しっかりと持ち上げるといった介助が必要
1点 全介助 機械浴を使用している。

歩行・車椅子

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 補助具なしの歩行で50m移動が可能。
6点 修正自立 杖を使用し50m歩行可能。また車いすで50m自立して移動が可能。
5点 監視or準備 50m移動するためには見守りや声掛けが必要
4点 最小介助 50m移動するのに軽く手を添える、方向転換に介助が必要となるような状態
3点 中等度介助 50m移動するのに支持が必要。角を曲がる際に車いす操作の介助が必要。
2点 最大介助 15mは介助にて歩行可能でも真っすぐ直線しか歩行(車いす駆動)ができない。
1点 全介助 歩行、車いす駆動可能な距離が15m未満。

階段

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 手すり使用せずに昇降可能。
6点 修正自立 手すり壁、杖を使用してなら階段昇降可能。
5点 監視or準備 12~14段の階段昇降を見守りにて可能
4点 最小介助 12~14段の階段昇降時、バランスを崩さないように体に触れる程度の介助が必要
3点 中等度介助 12~14段の階段昇降時、次の段に足を乗せるよう介助が必要のような場合。
2点 最大介助 介助にて4段の階段昇降が可能。
1点 全介助 階段昇降が不可能or2人以上の介助が必要

理解

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 複雑な内容の理解も問題なく可能。
6点 修正自立 理解は可能だが、補聴器を使用している。
5点 監視or準備 簡単な生活上での理解は可能だが、複雑な内容になると困難。
4点 最小介助 ゆっくり話す、繰り返しが必要など伝える側に少しの工夫や配慮が必要
3点 中等度介助 難聴があり、繰り返しの提示が頻回(2回に1回未満)
2点 最大介助 聞き返しが50%以上の頻度で必要
1点 全介助 完全に理解が困難な状態。促しに全く反応しない。

表出

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 文章としての表出が可能。
6点 修正自立 ADL上問題はなく促しも必要ないがやや表現が拙劣。
5点 監視or準備 基本欲求の表出は文章レベルで可能。促しはほとんどいらない状態。
4点 最小介助 少しの促しが必要。
3点 中等度介助 半分近くの促しが必要。文章と単語レベルでの表出が半々。
2点 最大介助 会話内容での相違が50%以上。ほぼ促しが必要。
1点 全介助 欲求の表出がほとんどない。促すも全く反応しない。相手の会話内容を常に推察する必要がある。

社会的交流

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 スタッフや他患との関係性も良好。
6点 修正自立 新しい関係性を築くには慣れが必要な程度。
5点 監視or準備 不快な言動がまれにある。
4点 最小介助 自分中心で相手の状況を察知することが困難。
3点 中等度介助 暴言や汚い言葉を吐くことが多い。マンツーマンでは問題はない。
2点 最大介助 マンツーマンでも問題があり、介入する際にスタッフに恐怖心がある。
1点 全介助 常に見守りが必要。夜間せん妄が重度の状態。

問題解決

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 複雑な問題でも認識が可能で適切な判断ができる。
6点 修正自立 解決に時間がかかる。
5点 監視or準備 日常の問題はほぼ解決できるも、まれに困難な時あり。こちらからの促しや見守りが必要。
4点 最小介助 日常の問題を時々解決できず、こちら側に支援を求めてくる
3点 中等度介助 日常の問題の半分以上を解決できない。
2点 最大介助 ほぼ問題解決ができない。指示や見守りが必要。
1点 全介助 日常の問題解決が全くできない。

記憶

得点 自立度 基準例
7点 完全自立 ①日常の業務 ②見慣れた人の認識 ③依頼や指示の実行 の3つが可能
6点 修正自立 ノートやカレンダーを使用してなら自立している状況
5点 監視or準備 促しが必要
4点 最小介助 4回に1回の頻度で促しが必要。
3点 中等度介助 見慣れた人の名前はわからないが顔は認識している。
2点 最大介助 なんとなくスタッフの顔はわかるが指示や依頼を覚えてない。
1点 全介助 ほとんど記憶が困難

FIMで採点する際のポイント

FIMで採点する際にはまずは大きく自立(7点or6点)か介助(5点~1点)のどちらかに分け、そこからさらに絞り込んでいく…方法がスムーズにFIMで採点していくためのポイントと言えます。

まとめ

多くの医療機関や介護福祉関連施設などを利用する場合、共通の情報としてFIMは非常に有効な評価手段といえます。
ただFIMの採点をする側がいくら細かく得点化して評価しても、受け取る側の解釈が異なるとFIMの有用性が低くなってしまいます。
広く様々な業種がFIMで採点することと同時に、解釈をする技術も必要になってくるのかもしれません!

作業療法士は語りたい!

FIMでもそうだけど、多くの事例を集めて、
ある程度の基準を作った上で評価したほうが、その精度は増すと思うんだ!
主観が入りやすい評価バッテリーだからこそ、
基準の設定や体系化、マニュアル化は必要になってくるでしょうね!

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