職業リハビリテーションにおける“環境特性”を分析してみた!

よりよい職業生活を送るためには、本人自身の努力や能力改善も重要ですが、取り巻く環境の改善も必要になります。
そこで今回は職業リハにおける環境特性についてまとめてみました!

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職業リハにおける“環境特性”について

『ワークパーソナリティと個人特性の階層構造は就労支援の課題抽出に役立つ!って話』でも触れたように、職場の集団や環境に対する「資源の開発」は、障害のある人の雇用を進める上で重要な課題といえます。

環境要件は2つに分けられる

こうした環境要件は以下の2つに大別し捉えることができます。

①職場の環境
②地域生活や職業生活に関する環境
それぞれ詳しくみていきます。

①職場の環境

一般的な職場の環境は以下のような項目で構成されています。

ⅰ.物理環境
ⅱ.技術環境
ⅲ.組織環境
ⅳ.心理社会環境
ⅴ.経済環境
ⅵ.職場外環境

こういった項目別で職場の環境を捉えなおすことで、個人の特性を考慮した環境の調整や修正が可能になっていきます。

ⅰ.物理環境

この“物理環境”に当てはまる項目としては、“建築・作業空間、温度・湿度・騒音・照明・振動・換気、危険性、姿勢・動作を規制する機器・道具の構造”などがあげられます。
いわゆる「ハード」として扱われるものがこの物理環境といえます。

ⅱ.技術環境

この“技術環境”に当てはまる項目としては、“製品・サービス・情報の生産に必要な機器や道具、その操作技能、ノウハウ情報。感覚・判断・識別能力、知識と技能、例外処理の仕方、注意の対象と程度、作業方法、作業分担などの条件”…などが当てはまります。
これらは「ソフト」として扱われるものになると思いますが、その職場の資産という切り口でみれば“人材”の部分になると解釈できます。

ⅲ.組織環境

“組織環境”に当てはまる項目としては、職業的な目的を達成するために意図的で計画的に設けられた“フォーマルな地位と役割の体系”があげられます。
例としては「課長」「係長」「部長」「主任」「プロジェクトリーダー」といった成員の役割行動を規定する枠組みになると解釈できます。
これは人事や時期によって変わっていくので、比較的変動的な環境とも言えます。

ⅳ.心理社会環境

“心理社会環境”に当てはまる項目としては、組織内の成員間の“心理的な結合関係”と、その職業に対する“社会的な価値観や規範”になります。
前述した“組織環境”とは異なり、どちらかと言えば情緒的な人間関係になります。
この環境の根底にあるものが、人間関係(リレーションシップ)になりますので、産業看護職といった産業医療職によるサポートが必要になってくる部分でもあります。

ⅴ.経済環境

これは給料やボーナスといった“経済的な報酬”に関する項目が当てはまります。
その労働への対価としての給料も“環境”という視点で考えることが、働くこと支援に必要な捉え方といえます。

ⅵ.職場外環境

これは職業的な活動以外の様々な役割遂行に許容される時間とされています。

②地域生活や職業生活に関する環境

もちろん仕事を継続していくためには、職場を離れた地域生活の維持も必要になります。
そしてその働くことを支援し、サポートする環境である“職場生活環境”も必要といえます。

地域生活環境

領域と項目 内容
1.住宅事情 障害特性に適合した構造、専用住宅
2.地域生活の状況 地域の店舗、地理
3.家族等の状況 適切な支援、擁護できる状況
4.余暇生活の状況 現場を離れた余暇の過ごし方
5.福祉制度の利用 福祉や年金制度の知識、活用の仕方
6.支援体制の状況 援助機関の種類や内容、人的資源の状況
7.社会の態度と理解 地域住民や雇用主の障害者への態度や理解

職業生活環境

領域と項目 内容
1.各種施設の状況 障害者就業・生活支援センター・就労移行支援事業所・就労継続支援事業所等の実情
2.産業雇用の状況 職場選択圏内の事業所内容や就職可能な職種
3.技術環境の変化 技術革新の動向や新しくできる職種
4.勤務形態の変化 在宅就労やフレックスタイム制

まとめ

作業療法のアプローチとしては対象者本人の能力を訓練し向上させる直接的なアプローチと、対象者を取り巻く環境を本人の目的遂行のために合わせるような間接的(代償的)アプローチとの2つに大きく分けることができます。
今回ご紹介した職場における環境特性を知ることは、まさにこの間接的(代償的)アプローチといえます。
障害を有する人への就労支援、働くことをサポートするためには、この環境という面にも目を向けることが重要になってくると考えられます。

作業療法士は語りたい!

「職場環境」という一つの括りで介入するより、
上記のように細かくわけることでより対象者に必要な環境調整の部分が抽出していくと思うんだ。
職場環境もより分析的に評価する視点が必要だということでしょうね!

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