せん妄と認知症の違いについてまとめてみた!

クライアントの精神機能についての評価や、その状態を表す言葉に“せん妄”があります。
なんとなくこの“せん妄”と“認知症”の違いについて混同して解釈している場合が多いので、比較してまとめてみました!

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せん妄とは



せん妄(譫妄、せんもう、英:delirium)とは、“意識混濁”や奇妙で脅迫的な思考に加えて幻覚や錯覚が見られるような状態を指します。
寝ている人を強引に起こすと、寝ぼけて良くわからないことを言い始めたりと、健康な人でも状況によっては同じ症状を起こす。
臨床ではICUやCCUで管理されているクライアントに多く起こることがあります。

つまり、このせん妄のポイントとしては、

・あくまで“症状”であって“病気ではない”
・主な症状としては「幻覚」や「錯視」
・健康な人でも急な目覚め等によって起こる場合がある
・臨床では急性期に多い。
…という点があげられます。

せん妄のDSM-Ⅴ・CAMでの診断基準


アメリカの精神障害分類の基準であるDSM-Ⅴでの診断基準もあるようですが、どんな医療スタッフでにせん妄の診断ができるために開発されたConfusion Assessment Methods (CAM) による基準が臨床上理解しやすいようです。
そのCAMによると、

①急性の発症と症状の動揺
②注意力の欠如
③思考の錯乱
④意識レベルの変化
これら4つの項目のうち①②の2項目に加え、③もしくは④のどちらかでも基準を満たせばその症状は『せん妄』と判断されます。

抗精神剤や抗鬱剤でもせん妄が起こる場合があるんだ
精神薬、怖いですね。。

認知症とは



認知症とは、認知障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が不可逆的に低下した状態を指します。
狭義では「知能が後天的に低下した状態」の事を指しますが、医学的には「知能」の他に「記憶」「見当識」を含む認知障害や「人格変化」などを伴った周辺症状(BPSD)を認めます。

つまり、この認知症のポイントとしては、

・認知症は“障害”の一種
・脳の器質的障害なことからも不可逆的
・主な症状としては「知能」「記憶」「見当識」「人格変化」
などがあげられます。

認知症のDSM-Ⅴでの診断基準

DSM-Ⅳでの認知症の診断基準としては、

A.1つ以上の認知領域(複雑性注意、遂行機能、学習および記憶、言語、知覚-運動、社会的認知)において、以前の行為水準から有意な認知の低下があるという証拠が以下に基づいている:
(1)本人、本人をよく知る情報提供者、または臨床家による、有意な認知機能の低下があったという概念、および
(2)標準化された神経心理学的検査によって、それがなければ他の定量化された臨床的評価によって記録された、実質的な認知行為の障害

B.毎日の活動において、認知欠損が自立を阻害する(すなわち、最低限、請求書を支払う、内服薬を管理するなどの、複雑な手段的日常生活動作に援助を必要とする)

C.その認知欠損は、せん妄の状況でのみ起こるものではない

D.その認知欠損は、他の精神疾患によってうまく説明されない(例:うつ病、統合失調症)

せん妄と認知症の違いと鑑別方法

上記2つのそれぞれの定義や診断基準を比べてみるとその違いが分かってきます。

  定義 発症時期 意識障害 経過 精神症状
せん妄 あくまで“状態” 突然 あり 一時的 症状の動揺あり
認知症 病気・障害 不明 なし 持続的 症状の動揺少ない

まとめ

せん妄と認知症についてそれぞれの特徴を比較検討することでその違いが明確になってくると思います。
複数の機関や施設で共通言語として使用する用語のうち、間違えやすいものはその違いについてしっかりと把握しておかないと、情報共有の障壁になってしまう可能性もありますからね!

作業療法士は語りたい!

もちろん認知症の方でもせん妄の症状が観られる場合もあるから、その鑑別には注意が必要なんだ。
せん妄はあくまで“症状”という点がポイントですね!

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