リハビリテーション評価

Berg Balance Scale(BBS)による評価のやり方、目的や基準値、カットオフ値について

 

バランス能力を評価する方法は様々ですが、このBerg Balance Scale(BBS:バーグバランススケール) は様々なバランス能力評価を複合的に判断していいる点から非常に優れている方法だと言えます。
そこで今回は、「Berg Balance Scale(BBS)による評価のやり方、目的や基準値、カットオフ値」についてまとめてみました!

Berg Balance Scaleとは

Berg Balance Scale(BBS:バーグバランススケール) は元来、高齢者のバランス能力を評価するための指標とすることを目的に作られました。
BBSは他のバランス機能を評価するツールや方法と比較しても、より複合的なバランス機能を評価することができることから、より信頼性が高い方法とされており、そのことから脳卒中患者のバランス機能の評価ツールとしても有用とされています。

Berg Balance Scaleの評価項目について

BBSには以下の14の評価項目によって構成されています。

①立ち上がり
②立位保持
③座位保持
④座り
⑤トランスファー
⑥立位保持
⑦両手前方
⑧拾い上げ
⑩振り返り
⑪360°方向転換
⑫踏み台昇降
⑬タンデム立位
⑭片足立位

①立ち上がり

「手を用いずに立って下さい!」
点数 判断基準
4 立ち上がり可能
3 手を用いれば一人で立ち上がり可能
2 数回試した後、手を用いて立ち上がり可能できない
1 立ったり、平衡をとるために最小限の介助が必要
0 立ち上がりに中等度ないし高度な介助が必要

②立位保持

「つかまらずに2分間立ったままでいて下さい!」
点数 判断基準
4 安全に2分間立位保持可能
3 監視下で2分間立位保持可能
2 30秒間立位保持可能
1 30秒間立位保持に数回の試行が必要
0 介助なしには30秒間立っていられない
2分間安全に立位保持できれば、自動的に“③座位保持”の項目は満点になって、“④座り(立位から座位へ)”の評価項目進みます!!

③座位保持

「「腕を組んで2分間坐って下さい!」
点数 判断基準
4 安全確実に2分間坐位をとることが可能
3 監視下で3分間坐位をとることが可能
2 30秒間坐位をとることが可能
1 10秒間坐位をとることが可能
0 介助なしでは 10 秒間坐位をとることが不可能
両足を床につけ、もたれずに坐ることが前提条件です!

④座り

「どうぞお坐り下さい!」
点数 判断基準
4 ほとんど手を使用せずに安全に坐ることが可能
3 両手でしゃがみ動作を制御する
2 両下腿背側を椅子に押しつけてしゃがみ動作を制御する
1 坐れるがしゃがみ動作の制御ができない
0 介助しないとしゃがみ動作ができない
立位の状態から座位姿勢への姿勢変換の際のバランスを評価します!

⑤トランスファー

Ⅰ.「車椅子からベッドに移り、また車椅子へ戻って下さい!」
Ⅱ.「まず肘掛を使って移って下さい。次に肘掛を使わないで移って下さい!」
点数 判断基準
4 ほとんど手を使用せずに安全にトランスファーが可能
3 手を十分に用いれば安全にトランスファーが可能
2 言葉での誘導もしくは監視があればトランスファーが可能
1 トランスファーに介助者1名が必要
0 2名の介助者もしくは安全面での監視が必要

⑥立位保持

「目を閉じて10秒間立っていて下さい!」
点数 判断基準
4 安全に10秒間閉眼立位可能
3 監視のもとで10秒間閉眼立位可能
2 3 秒間は立位保持可能
1 閉眼で3秒間立位保持できないが、ぐらつかないで立っていられる
0 転倒しないよう介助が必要
この項目では、“閉眼のままの立位保持”が条件になります!

⑦立位保持

「足を揃えて、何もつかまらずに立っていて下さい!」
点数 判断基準
4 一人で足を揃えることができ、1分間安全に立位可能
3 一人で足を揃えることができ、1分間監視
2 一人で足を揃えることはできるが、30秒立位は不可能
1 開脚立位をとるために介助が必要であるが、足を揃えて15秒立位可能
0 開脚立位をとるために介助が必要で、15秒立位保持不可
この項目では、“両足を一緒に揃えての立位保持でのバランス”を評価します!

⑧両手前方(ファンクショナルリーチ)

「両手を90°上げて、指を伸ばした状態でできるだけ前方に手を伸ばして下さい!」
点数 判断基準
4 確実に25㎝以上前方へリーチ可能
3 12.5㎝以上安全に前方へリーチ可能
2 5㎝以上安全に前方へリーチ可能
1 監視があれば前方へリーチ可能
0 転倒しないように介助が必要
測定者は、被験者が90°に上肢を上げたときに指先の先端に定規を当てます!
そして前方に伸ばしている間、定規に指先が触れないようにして、最も前方に傾いた位置で指先が届いた距離を記録します!

⑨拾い上げ

「足の前にある靴(あるいはスリッパ)を拾い上げて下さい!」
点数 判断基準
4 安全かつ簡単に靴(あるいはスリッパ)を拾い上げることが可能
3 監視があれば靴(あるいはスリッパ)を拾い上げることが可能
2 独力で平衡を保ったまま2.5~5㎝のところに置いたスリッパまでリーチできるが、拾い上げることはできない
1 検査中監視が必要であり、拾い上げることもできない
0 転倒しないように介助が必要で、検査ができない
“床から物を拾う際のバランス”を評価します!

⑩振り返り

「左肩越しに後ろを振り向いて下さい。それができたら今度は右肩越しに後ろを振り向いて下さい!」
点数 判断基準
4 上手に体重移動しながら、両方向から振り向ける
3 一方向からのみ振り向きができる。もう一方向では体重移動が少ない
2 横を向けるだけだが、バランスは保てる
1 振り向く動作中に監視が必要
0 転倒しないように介助が必要
この項目では、“左右の肩越しに後ろを振り向く際のバランス”を評価します!

⑪360°方向転換

「円周上を完全に1周回って下さい。いったん止まり、その後反対方向に1周回って下さい!」
点数 判断基準
4 4秒以内に両方向安全に1周回ることが可能
3 4秒以内に一方向のみ安全に1周回ることが可能
2 ゆっくりとなら1周回ることが可能
1 間近での監視が必要か、言葉での手がかりが必要
0 1周するのに介助が必要

⑫踏み台昇降

「足台の上に交互に足をのせて下さい。各足が 4 回ずつ足台にのるまで続けて下さい!」
点数 判断基準
4 支持なしで安全にかつ20秒以内に8回足のせが可能
3 支持なしで20秒以上必要であるが、完全に8回足のせが可能
2 監視下であるが、介助不要で、完全に4回足のせが可能
1 最小限の介助で、完全に2回以上の足のせが可能
0 転倒しないよう介助が必要。または試行不可能

⑬タンデム立位

「一方の足をもう片方の足のすぐ前にまっすぐ置いて下さい。もしできないと感じたならば、前になっている足の踵を、後ろになっている足のつま先から十分に離れたところに置いてみて下さい!」
点数 判断基準
4 単独で継ぎ足を取ることができ、30秒保持可能
3 単独で足を別の足の前に置くことができ、30秒保持可能
2 単独で足をわずかにずらし、30秒保持可能
1 検査姿勢をとるために介助を要するが、15秒保持可能
0 足を出すとき、または立っているときにバランスを崩してしまう
この項目では、“片足を前に出した立位保持の際のバランス”を評価します!

⑭片足立位

「どこにもつかまらず、できるだけ長く片足で立っていて下さい!」
点数 判断基準
4 単独で片足を上げ、10 秒以上保持可能
3 単独で片足を上げ、5~10 秒保持可能
2 単独で片足を上げ、3 秒もしくはそれ以上保持可能
1 片足を上げることはできるが、片足立ちを 3 秒保持することができない
0 試行不可能、もしくは転倒予防に介助が必要

Berg Balance Scaleのカットオフ値について

BBSのカットオフ値についてですが、56点満点中で…

点数 判断
0~20 許容範囲のバランス能力
41~56 良好なバランス能力

…とされ、さらには、

点数 判断
46点以上 病棟内自立判定基準
36点以上 病棟内見守り判定基準

…とされています。

つまり45点以下では複数回の転倒発生率が高くなり、36点以下ではさらに転倒の危険性が高くなる…と判断できます。
*文献によってBBSのカットオフ値は異なるようなので“参考程度”との指摘もあります。

リハビリの様々な検査のカットオフ値についてまとめた記事一覧はこちらから!

Berg Balance Scaleで必要な物品について

BBSによるバランス評価をするためには以下のような物品を準備する必要があります。

・評価用紙
・ペン(評価者用)
・メジャー、定規
・ストップウォッチ
・椅子
・ベッド
・足台

また“⑪360°方向転換”の評価項目の際にはぶつからないような範囲を確保できる場所、転倒の危険が少ない場所などを選ぶ必要があります。

>Berg Balance Scaleのエビデンスグレードについて

理学療法介入の推奨グレードとエビデンスレベルによると、Berg Balance Scale(BBS)の推奨グレードは、

推奨グレード A~B
…とされています。

まとめ

臨床や現場でクライアントの動作能力とそれに伴う転倒リスクの判断は非常に難しいと思います。
BBSを一つの判断基準として使用するのは必要でしょうけど、あくまで一つの基準なので、クライアントの疾患や障害特性、
性格や環境などによって総合的に判断する必要があるのでしょうね!

作業療法士は語りたい!

なんでもそうだけど、リハビリセラピストが対応するのには、必ずその判断の根拠につながる数字を出しておくって癖は必要だと思うんだ
エビデンスに基づいた判断はなによりも説得力がありますからね!
ただ注意しなきゃいけないのは、そのエビデンスに基づく判断にふりまわされないってことだね![/speech_bubble]
[speech_bubble type="ln" subtype="R1" icon="wakana-r.png" name=""]あくまで一方向の基準ってだけで、実際には様々なことが複合的に関わっているってことを忘れないほうがいいでしょうね!
 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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