バーセルインデックス(Barthel Index)による評価方法と採点、カットオフ値について

ADL能力の評価を行うための検査方法の1つに『バーセルインデックス(Barthel Index)』があります。
今回はこの検査方法と採点、解釈のためのカットオフ等についてまとめてみました!

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バーセルインデックスの概要

Barthal Index(以下BI)は簡潔かつ短時間にADL能力を評価できることで広く使用されている検査方法です。
元々1965年にMahoneyとBarthelによって考案されたものを、Grangerによって1975年と1979年の2回にわたり改定されています。
現在OTによる臨床や現場で使用されているのはこの改訂版にあたります。

バーセルインデックスの特徴

BIの特徴については以下のような点があげられます。

・検査項目は10項目
・FIMとは違い「できるADL」を評価する
・全介助(0点)、部分介助(5点)、自立(10点・15点)の3段階評価
・移動と移乗動作項目に限っては自立(15点)と配点が高い
・最高点は100点

バーセルインデックスの各検査項目について

BIの各検査項目の詳細については以下の通りです!

①食事

自立度 得点 基準例
自立 10点 自助具などの装着ができ、標準的な時間内に食べ終わることができる
部分介助 5点 おかずを切る等の介助が必要
全介助 0点 全介助

②車椅子・ベッド間の移乗

自立度 得点 基準例
自立 15点 ブレーキやフットレストの管理も含めて自立している
軽介助 10点 車いすの準備が必要であったり、軽度の部分介助or見守りが必要。
移乗介助 5点 起居動作が自立し、端坐位保持はできるが移乗に介助が必要
全介助 0点 全介助

③整容動作

自立度 得点 基準例
自立 10点 道具の準備、操作、管理も含め介助なしに自立している。女性の場合は化粧も含むが、髪を編んだり、髪型を変えるといった難しい課題は含まない
部分介助 5点 道具の準備、管理などが必要な状態。
全介助 0点 全介助

*整容動作とはここでは洗面、整髪、髭剃り、歯磨きになります

④トイレ動作

自立度 得点 基準例
自立 10点 トイレの出入りから下衣の着脱、トイレットペーパーの使用、後始末なども含め自立している状態。手すりの使用の有無は問わない。ポータブルトイレを使用している場合はその洗浄も含める。
部分介助 5点 下衣の処理や後始末、出入りなどに介助が必要。汚染が多い場合も含む。
全介助 0点 全介助

⑤入浴動作

自立度 得点 基準例
自立 5点 見守りが一切必要なく、浴槽の出入りやシャワー管理、洗体動作までも自立。
介助 0点 転倒といった危険性があるため見守りが必要な場合でも介助(0点)とみなされる。

⑥移動

自立度 得点 基準例
自立 15点 45m以上の歩行が自立している。装具の使用の有無は問わない。また装具の着脱は更衣動作に含まれる。
介助歩行 10点 45m以上の介助歩行or歩行器使用での歩行
車いす 5点 歩行が困難で、車いすによって45m以上の駆動可能な状態
全介助 0点 上記以外の場合

⑦階段昇降

自立度 得点 基準例
自立 10点 見守りや介助なしで自立。杖や手すりの使用の有無は問わない。
部分介助 5点 介助or見守りが必要な場合
全介助 0点 全介助

⑧更衣動作

自立度 得点 基準例
自立 10点 靴や装具の着脱も含め自立。ボタンの代わりにマジックテープといった工夫がされていても問わない。
部分介助 5点 時間がかかり、部分介助が必要
全介助 0点 上記以外

⑨排便管理

自立度 得点 基準例
自立 10点 失敗なしであり、浣腸や座薬の取り扱いも自立している状態
部分介助 5点 まれに失敗ありor浣腸や座薬を介助にて使用
全介助 0点 上記以外

⑩排尿管理

自立度 得点 基準例
自立 10点 昼夜ともに失敗がない状態であり、尿器等の使用も可能
部分介助 5点 まれに失敗あり、尿器の取り扱いに介助が必要
全介助 0点 上記以外

となっています。

バーセルインデックスの評価のコツ

各項目について上記のような基準が設定されていますが、評価する際は、

・その動作がどのように行われているか?
・その動作が実用的かどうか?
・どの程度の介助が必要か?
といった点についても意識して観察する必要があります。

できるADLを評価するBIですが、単純に「できるorできない」の2択で判断するのではなく、どのように行われているのか?できていたとしてもそれが実用的なものなのかどうか?という視点も必要になってきます。

バーセルインデックスのカットオフ値について

改定版BIを発表したGrangerによると、60点が部分自立と介助のカットオフ値…と報告されているようです。
また一般的には85点以上を自立としています。

BIとFIMの違いについて

よくある質問に「BIとFIMの違い」がありますが、以下に両者それぞれの違いについてまとめてみます。

項目 BI FIM
ADL できる している
認知項目 なし あり
総合点 100点 125点
難易度 簡単 やや困難
情報量 少ない 多い
天井効果 高い 低い
床効果 低い 高い

BIとFIMの検査方法を「できるADL]「しているADL」のみで判別し、選択する場合がありますがそれはあまり適切とはいえません(あくまで評価対象のADLの違いなだけです)。
なによりもBIはシンプルなADL検査方法であるが故に採点がおおまかで細かい変化をとらえにくい点があげられます。
そのため症状や障害が軽度の場合は初期評価の時点で高い点数がでる傾向にあります(天井効果:ceiling effect…というやつですね)。
逆にFIMは各ADL動作を細かく検査することができますが、障害が重度で寝たきりのようなクライアントの場合に、低い点数に偏ってしまう傾向にあります(床効果:floor effect…というものになります)。

BIとFIMのどちらが優れている…ということではなく、検査対象の状態や変化に合わせてBI,FIMを選び使い分ける…という方法がベターかもしれませんね!

まとめ

クライアントのADL能力をきちんと評価し、スコア化することでその経過や予後予測といったものを検討する際にも非常に有効になります。
シンプルな方法であるBIはある意味“ざっくり”クライアントのADLの状態を把握するのに向いているとも言えます。
その対象の状態に合わせた評価方法の選択肢を増やしておくということも、検査者であるOTの務めかもしれませんね!

作業療法士は語りたい!

BIで移乗や移動の項目に高い点数配分がされていることからも、
“移動能力”は非常に重要な項目と言えるだろうね!
歩行って手段に限らず、車いす駆動といった代償手段も
OTはしっかりと検討しないといけないってことでしょうね!

関連資料

Barthel Indexの検査用紙はこちらから

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