両立支援コーディネーターの資格を作業療法士が取得するメリットについて

両立支援コーディネーターって資格ご存知ですか?
実は先日、この資格を取得するための基礎研修会に参加してきました!
そこで今回はこの両立支援コーディネーターについてと、作業療法士が取得することのメリットについてまとめてみました!

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両立支援コーディネーターとは

両立支援コーディネーターとは働きながら治療を続けるための支援をすることを目的としています。
対象とする疾病は「がん」「糖尿病」「脳卒中」「メンタルヘルス」の4つに分類されています。
取得するには『独立行政法人 労働者健康安全機構』で実施される基礎研修を受講する必要があります。

両立支援コーディネーターが必要な理由について

ではなぜ今後、この両立支援コーディネーターが必要になってくるのか、その理由についてですが以下のような理由があげられます。

①資源の複雑さから本人・家族のみでの対処が困難
②「労働者(患者)」「事業場」「医療」の3者間の情報共有のための共通言語が少ない

①資源の複雑さから本人・家族のみでの対処が困難

ここでいう「資源」とは、“医療”や“社会福祉資源”を指しますが、どうしてもこれらの資源は利用するにも複雑な場合が多くあります。
こうなると当事者である患者やその家族だけでは対処しきれないことが多く、利用できる資源の見落としや優先順位などがずれていってしまい、資源の有効活用ができなくなってしまう場合があります。

②「労働者(患者)」「事業場」「医療」の3者間の情報共有のための共通言語が少ない

患者の治療と職業生活の両立を達成するためには「労働者(患者)」「事業場(企業)」「医療」の3者間の情報共有が必要になってきます。
しかし、それぞれ分野や領域が異なってくるため情報共有するにも“共通言語”出ない場合が多くあります。
それぞれの情報共有をスムーズにするための“通訳者”という意味も両立支援コーディネーターの役割が必要になってきます。

両立支援コーディネーターに必要なもの

患者-企業-医療という3つの領域の中心にいる形になる両立支援コーディネーターですが、必要なスキルやマインドというものはどういったものになるのでしょうか?
もちろん3者の立場や領域を理解するためには幅広い知識、見解が必要になるはずですが、以下の7点が両立支援コーディネーターに必要な物としてあげられています。

①ソーシャルワーク技能
②各疾病に関する基礎知識
③障害に関する基礎知識
④メンタルサポート、労働衛生、関連法規など
⑤医療機関および就労関連施設の調査把握
⑥事業所側からみた就労に対する理解
⑦経験値を積み上げること

①ソーシャルワーク技能

両立支援コーディネーターの場合、なによりも社会福祉的観点での評価、対応が必要になってくるのでソーシャルワークの技能が必要になってきます。
本人や家族、事業所からの情報を聴取するための傾聴や調整技術、問題点を整理する技術など、いわゆる“社会福祉援助技術”と呼ばれるものが当てはまります。

②各疾病に関する基礎知識

両立支援コーディネーターによる主な支援対象分野としては「がん」「脳卒中」「メンタルヘルス」「糖尿病」の4つがあげられます。
それぞれの疾病に対しての基礎的な知識(病態、重症度、治療、合併症)を知ることで、より細やかな支援を提供できることにつながります。

③障害に関する基礎知識

主な支援対象分野である「がん」「脳卒中」「メンタルヘルス」「糖尿病」の4つの基礎的な知識から、その障害への理解やどのような回復過程をたどるのか、利用できる障害手帳や等級はどの程度かといった、障害に関しての基礎知識も必要になってきます。

④メンタルサポート、労働衛生、関連法規など

患者や事業場に提供し、つないでいく社会資源を知るためには労働衛生や関わる法規といったものも知る必要があります。
加えて「がん」「脳卒中」「メンタルヘルス」「糖尿病」という疾病の違いはあっても、根幹であるメンタル面における課題は共通項であるため、メンタルサポートのための知識、手法も知る必要があります。

⑤医療機関および就労関連施設の調査把握

両立支援技術コーディネーターの場合、支援対象は主に「患者」になるため、もちろんこの患者がクライアントとして位置することになると思います。
しかし両立を支援するためには環境である“医療”と“就労関連施設”の現状やニーズ、課題といった情報が必要になってきます。
これらの“資源”はその地域によっても大きく変わってくるので、クライアントの住む地域の特徴も調査し把握する必要があります。

⑥事業所側からみた就労に対する理解

どうしても事業所側からは患者の疾病や障害に対しての理解が不十分な場合が多くあります。
これは単純に疾病、障害への知識不足から起こり得る問題ですので、ここに両立支援コーディネーターが支援することで、客観的な疾病や障害についての知識と、その患者の個人特性を踏まえたうえでの知識と対処方法を伝える事で理解を促すという介入も必要になってきます。

⑦経験値を積み上げること

なによりも両立支援コーディネーターが提供できるものの質を向上するためには、経験値を積み上げることが重要になってきます。
様々な事例を通して得た知識、技術やちょっとしたコツというものは、大きなデータベース化することができます。
その為には両立支援コーディネーター間での、実践や事例の共有を図ることでより大きな資産になってくると思います。

作業療法士が両立支援コーディネーターを取得するメリットについて

ではリハビリセラピストである作業療法士が両立支援コーディネーターを取得することはどのようなメリットが発生するのでしょうか?
事実、まだ全国的にこの両立支援コーディネーターの資格を有する人数は少ないですので、現実にどのようなメリットが生じているかは“未知数”と言うしかありません(苦笑)

個人的な考えになってしまうかもしれませんが、“作業療法士”という医療サイドの人間から“患者”の疾病や障害を一つの“資源”として捉え、企業や事業場にその資源が持つメリット、デメリットを伝え、さらにはそのメリット、デメリットの活かし方を伝え、理解を促すことができるのではないか…思っています。

まとめ

働きながら治療を続けるための支援を目的にしている“両立支援コーディネーター”は今後国としても力を入れて増やしていこうとしているようです。
働き方が改めて考えられている今、この両立支援技術コーディネーターという役割が働きにくさを感じている“患者”の、“医療”と“企業”をつなぐ橋渡しの立場になり活躍していければ、もっと働きにくさは減少していくのかもしれませんね!

産業作業療法士は語りたい!

ということで今回、この両立支援コーディネーターの研修を受けてきて、認定証をいただいてきました!
このコーディネーターの役割や考えは、産業作業療法研究会で考えているものと近いものがありますよね!
だからこそ、この両立支援コーディネーターの知識、技術に作業療法の技術や知識を掛け合わせたら、
よりよい「働きにくさへのリハビリテーション」が提供できると思うんだよね!
働き方をリハビリする産業作業療法研究会の公式サイトはこちら

【参考文献】
・両立支援コーディネーター基礎研修資料

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