リハビリテーション評価

AMPSを実施することにおける11のメリットと4つのデメリットについて!

 

作業分析について勉強していて、作業療法士としてはAMPSの講習会に参加したいなと。
でもなかなかタイミングが合わないことから、まずは独学で勉強しています。
そこで今回はAMPSの概要と、AMPSを実施するメリット、デメリットについて考えてみました!

AMPSについて



AMPSとは技能による作業分析的視点から作業遂行の質と作業遂行能力を同時に評価する、約20万人のデータに基づき(2016年現在)国際的に標準化された観察型のADL/IADL評価法です。
引用:AMPS研究会

つまりAMPS(Assesment of Motor and Process Skills)はクライアントのADL・IADLにおける課題遂行の“質”を評価することができる方法といえます。
OTに求められる能力として、クライアントの技能評価と作業分析による作業の質の評価があげられます。
AMPSはそれらの評価を標準化して行う評価法…と言えます。

それこそAMPSは「クライアント中心の作業療法」に適した評価方法なんだ!
トップダウンアプローチの作業療法なんですね!

AMPSはどのように生まれたか?


そもそもAMPSは1980年代にアメリカの大学院に留学していたカナダの作業療法士が、

特別に設定した検査場面ではなく、自然の日常生活の場面を観察して、日常生活を行う能力を測定できないものか??
…と考えたことからはじまったようです。

また、同時期にアメリカの作業療法士である“アン・フィッシャー(Anne Fisher)が統計学を勉強する中で、日常のどの課題のなかでも共通に観察される能力を点数化してデータとする評価法を考案し、これがAMPSの基礎となりました。

AMPSのメリット・デメリット

ではこのクライアント中心の作業療法を展開するための評価方法であるAMPSのメリットとデメリットについて考えてみます。

AMPSのメリット

①AMPSは作業分析的視点を持つ作業療法特有の評価法である




そもそも作業分析とは?
でも触れたように、“作業と人間の作業行為を生物的、心理的、社会的、文化的関係のなかで、構成する要素に分け、またその相互関係を明らかにするプロセス”…という文言が作業分析の定義になります。
フィジカルな部分での分析である動作分析だけではなく、心理や環境、文化といった要因との関係も含めてその作業を総合的に分析する…ということになります。
サーブリッグ分析やMODAPTSを利用しての作業分析は、フィジカルな視点とその作業環境への視点での分析は含まれていますが、AMPSは精神、心理面も扱う作業療法ならではの作業分析方法…ということでしょうね!
②AMPSは約20万人のデータをもとに、国際的にも、異文化間でも十分に標準化された評価法である。


2008年頃の文献や報告では「約10万人のデータ」とありましたが、2016年の段階で20万人のデータが集約されているのですから、それだけ多くのOTがAMPSを利用しているということになります。
加えて今後のAI技術の基礎になる「ビッグデータ」の重要性からも、AMPSのデータは非常に作業療法の定量化にとっては有益なデータといえるかもしれません。
③作業遂行について何らかの配慮が必要な、2歳以上の子供、青少年、大人、高齢者と、年齢に関わらず誰でもがAMPS施行対象者となりえる。


特に対象を選ばないということはAMPSの強みになります。
AMPSの評価方法やデータの対象としては主にADL・IADLに限定していますが、仮にこの分析対象の範囲が広がることは作業療法士が関わるクライアントの種類が大きく広がる…ということなんじゃないかな?と妄想しています(笑)
④診断名(疾患)や能力障害の原因に関わらず、誰にでもAMPSは使用可能。

前述した③のメリットとほぼ同義ですね。
「誰にでも行える」ということは対象が広すぎて逆に実行が難しくなる…ということにもなりそうですが、汎用性が高いという解釈もできますかね?
⑤AMPSは、対象者自身が遂行したい・する必要のあるADL/IADL課題をするための能力を評価するという、作業遂行のテストである。


「クライアント中心」の作業療法につながります。
ボトムアップアプローチとしての、訓練のための作業を提供し、評価するのではなく、多種多様な作業の種類のなかから、そのクライアントが求めるor必要とする、価値が高い作業を選択し評価することができます。
⑥AMPSでは(a)対象者の日常生活でのニードに関わりがあり且つ馴染みのある課題で、(b)対象者が遂行する課題の難易度に基づき評価を行うため、対象者本人が評価のために遂行する課題を選択できるようにデザインされている。


20万人のありとあらゆる作業に関してのデータを蓄積している所以でしょうね。
クライアントの日常生活動作に近い作業の選択肢や、難易度によって作業選択ができることは、そのクライアントのAMPSに取り組むモチベーションにもつながります。
「OTに与えられた課題」ではなく「自分で選択した課題」という点がクライアント中心の作業療法に適している部分でもありますね!
⑦評価には特別な道具や器具を必要とせず,おおよそ30-40分で施行可能。


AMPSの技術さえ習得してしまえば、どんな環境でも実施できる…というのは魅力的です。
まあ、習得するのに時間がかかりそうですが、、、(笑)
⑧AMPSは121課題あるリストから、対象者が馴染のある課題を2課題遂行するだけで、その対象者の能力と遂行の質を評価可能。

選択肢は多くても、実施する課題作業が2課題で評価可能な点は非常にメリットといえます。
評価に時間をかけず、スピーディーに終わらせられますからね!
クライアントは評価を求めているのではなく、治療的介入を求めていますから…。
⑨AMPSを開発した測定モデルは、(a)対象者が遂行した課題の難易度と、(b)遂行を観察した評価者の評価者寛厳度を考慮に入れながら、対象者の運動技能とプロセス技能能力を決定することができる。


OTの評価ツールって結構その評価を行う人の感覚や感情移入によって変化しやすいことが多くあります。
この多少の誤差も想定した上での分析を行う方法…ラッシュ分析を利用していることからクライアントとOTとの間に作業に対しての難易度の差が多少あったとしても問題はない…ようです。
この辺は開発者がOTということもあって、非常に臨床での経験が生かされている部分でしょうね(笑)
⑩AMPSはユニークなデザインなので、1回目と2回目の評価で異なる課題を対象者が遂行しても,対象者の能力の変化を比較できる。また同様に、異なったAMPS課題を遂行した幾人かの対象者同士を比較することも可能。

行う課題が異なっていても、その根本の原理原則的な部分が共通しているため、異なる課題でも、対象者が異なっていても比較検討できる…ということでしょうね!
⑪AMPSは作業療法臨床家に効率の良い治療計画や対象者の変化を文書化するのにパワフルでセンシティヴな道具である。従って、AMPSは研究にも理想的な道具といえる。

「パワフルでセンシティブ!」という文言がなかなかキャッチーですが(笑)、日常生活における作業課題を定量化できるということはあらゆる研究に応用ができるということで貴重なツールといえます!

AMPSのデメリット

①2歳未満(あるいは同等の発達レベル)のクライアントあるいは、単純な日常生活課題をも遂行したくないクライアントは評価できない。

2歳未満のクライアントにとっては、あらゆる日常生活動作も親の介助が必要な段階ですからね。
また単純な日常生活課題も遂行したくないクライアント…この場合は“うつ”などが代表としてあげられると思います。
もっと日常生活の動作課題以前の解決に集中する段階と捉えたほうがよいでしょうね。

②AMPSを治療効果、質の保証、あるいは研究を文書化するのに使用する場合は、コンピュータ採点がなされなければならない

20万人のデータを基にしているわけですから、専用のコンピュータソフトを使用して評価結果を採点しないといけないのには納得です。
③AMPSのコンピュータ採点ソフトは、講習会参加者のみに提供される。

商売上手です(笑)!
まあ、開発には非常に長い年月と多くの労力を費やしてきたことも考えれば、そのクオリティを維持するためにもしっかりとした教育を行った上での実施が前提となるのでしょうね!
④対象者の能力測定時に、評価者の寛厳度を考慮に入れることから、講習会参加者であっても、評価者換算の必要条件を満たすまで、対象者のADL/IADL運動およびプロセス技能能力測定値が表されるAMPSグラフィック報告書は得ることができない。

たしか講習会参加後3か月以内に10人のデータを提出する必要があるんですよね!
これは評価者の寛厳度もデータ化するためと考えると納得です!

AMPSを習得するには?

そんな作業療法士独自の作業分析ツール“AMPS”ですが、

(a)講習会に参加
(b)評価者として換算される
…の2つがAMPSを臨床や現場で利用する条件となっています。
5日間の講習会によってAMPSの理論や実技を習い、その後10人のデータを提出することによって初めてAMPSの認定評価者になることができます!

まとめ

作業療法士の得意な能力、求められる能力として作業分析があげられます。
近年アメリカのOT業界では作業分析の重要性が改めて見直されているようですから、AMPSは今後ますます必要なツールになってくると思います!

作業療法士は語りたい!

AMPS…講習会行きたいです。
ホームページを見ると年に数回程度の講習会だし、
5日間という日程も、講習会に参加するだけでもなかなか難しいよね。
文献や論文でまずは勉強して、そのニュアンスだけでも掴むことが一歩なんでしょうね!

参考サイト

AMPS研究会公式サイト

 

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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