包括的作業分析の特徴と注意点について!

作業分析を大きく分類したうちの一つに『包括的作業分析』があります。
今回はこの包括的作業分析の特徴とこの分析法を行うにあたっての注意点などについてまとめてみました!

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包括的作業分析の特徴について

①作業療法の教育のなかで発展してきた分析法

包括的作業分析はそもそもOTの教育プログラムのなかで発展してきています。

②作業の固有の特徴を分析し、理解する方法

包括的作業分析は分析対象の作業がどんなものであれ、その作業が持つ固有の特徴を分析していくことで、理解を深める分析法といえます。

③評価や治療的介入に作業を使うとき、どの作業を選択する基準になる

包括的作業分析によってその作業の特徴が分析されていくことは、クライアントの評価や治療的介入の際に利用する作業を提供する際のヒントにもなります。

④作業療法士にとって基本的な技能

作業を分析し、臨床に発展させる…という能力はOTの専売特許と言えますが、逆にこの能力、技法は基礎的なモノとも言い換えることができます。

⑤分析項目が多い

分析対象の作業の特徴を理解するために、それを構成する多くの項目を分析しなければならないので…結構大変な分析法でもあります。

⑥一般に特別な治療目標や特別な患者を想定しない

あくまでも「作業」自身の特徴を分析的に理解していくため、そこに特別な疾患や治療方法は想定されていない…というのも特徴です。

⑦臨床で使用するためには広範囲にわたっているので実用的ではない

⑤分析項目が多い…にも通じる事ですが、あまりにも膨大な分析を行わないといけない点からも制限が多い臨床ではうまく利用することができないというのが課題ともいえます。

⑧この分析法の様式や方法について、合意されたものではない。

スタンダードな方法や体系化されているわけではないので、分析を行う人によってばらつきがでてきてしまう…というのも課題でしょうね!

包括的作業分析法を行う際の注意点

①分析する作業をよく知っていること

その作業自身をOTが知らないとどうしても分析項目を拾い上げることができなくなってしまいます。
まずはその作業について「知っている」というのが前提になります。

②材料、道具、完成までのプロセス、人とのかかわりの範囲と程度を知っている

その作業に関わる環境やプロセスについても理解していないとやはり分析にひずみができてしまいます。

③分析した作業に従事した経験があること、または実際にやったことがなくでも、かなりの細かい部分まで熟知していること

できる限りその作業を経験していると分析しやすさが違うと思います。
とはいっても世の中のあらゆるさぎょうを経験するとなると現実的ではないので、やはり「知っておく」…なにより「興味を持つ」ことが重要とも言えます。

④その作業全般ではなく「具体的な作業」に限定して分析する必要がある

例えば「陶芸作業」を包括的作業分析するとしても、その方法や道具、環境はもちろん何を作るのか?という点まで様々です。
これらすべてを網羅するのも現実的ではないので、「湯飲み茶わんを板づくりでつくる」とある程度限定的にして分析することが望ましいと言えます。

⑤対人関係もはっきりと条件づけて行う

この点もOT独自の強みと言えます。
ある程度場面設定を対人面から設定することで、クライアントに必要な作業や環境と言ったモノまで分析的にみることができます。

⑥特定の環境を設定して行う

その場所がOT室でもクライアントの部屋でも、できる限りクライアントがその分析対象の作業を行う場面に近いような場面設定が必要になります。

まとめ

包括的作業療法は非常に多くの項目とプロセスから構成されている点から、あまり臨床的とは言えないのかもしれません。
でも、世の中のあらゆる作業を、OTが作業分析することでクライアントへの作業療法的介入に役立たせることができると考えられます。

作業療法士は語りたい!

包括的作業分析を、
「一般的作業分析」と呼ぶOTの人も多くいるね!
それはなんでですか?
あくまでOTとか臨床という観点を外したうえで、
一般的な方法としてそのさぎょうを分析すること…という点を強調したいからかもしれないね!

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限定的作業分析の特徴とその注意点について

【参考文献】
基礎作業学

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