アドラー心理学から学ぶ、スムーズな人間関係構築術について

それがクライアントでも同僚や上司でも、人間関係をムリなく築くことって難しいことなんだと思います。
でも見方を変えるだけで、非常に関係性の構築がスムーズになります。
今回はアドラー心理学から考える作業療法士の良好な人間関係を構築するいくつかのことについてまとめてみました。

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いい人から建設的な人を目指すことの重要性



建設的な人は、無理をしない人間関係を築くことができ自分を勇気づけることもできる。
そのために必要な要素としては、

①嫌われてもよいと考える
②苦手な人を再度考える
③セルフトークでライフスタイルを変える

となります。
以下少し説明を加えてまとめてみます。

①嫌われてもよいと考える

「嫌われないように」と思ってしまいますがそれは無理なことです!
思い込みや好き嫌いから逃げる。
好き嫌いは気にせず、「自分はこの人間関係のなかでどのような貢献ができるのか」「自分らしく生きるにはどう行動すればいいのか」を優先して考えましょう。
コントロールできないものはしょうがないんです!(笑)

②苦手な人を再度考える

苦手意識はほとんどの場合、“記憶”から生じることがわかっています。
人は誰でも程度の差こそあれど、先入観を持って人を見てしまいます。

自分の価値観は絶対ではありません。
人によって見方は千差万別ですので、言い換えれば短所は長所にも成り得るのです。

短所 長所
気が弱い 優しい
気が強い 意見がはっきり言える
優柔不断 思慮深い
いばっている リーダーシップがある
口下 手聞き上手
おしゃべり 人懐っこい
協調性がな い独自性がある
頭が固い 真面目
八方美人 誰とでも仲良くなれる
せっかち 思い立ったらすぐ行動
頑固 意志が固い

③セルフトークでライフスタイルを変える

ネガティブな口癖に注意するのも重要だったりします。
自分で自分を表現すること(「ぼくは手先が器用etc」)を“セルフトーク”と呼びますが、人は無意識のうちにたくさんのセルフトークをしています。
また、セルフトークによってできるイメージを“セルフコンセプト”と呼びます。

ネガティブなセルフトークを仮に“悪魔のささやき”とするなら、意識してポジティブなセルフトーク(天使のささやき)を言うようにすれば、ポジティブなセルフコンセプトもできあがります。

建設的な人を目指すのに大切なのは“共通感覚”



また、前述のような建設的な人になるには“共通感覚”が必要とされています。
この共通感覚とは、相手に関心を持ち、一体の感情を得る感覚のことで“コモンサス”とも呼ばれています。
この共通感覚とは、他者の目で見、他者の耳で聞き、他者の心で感じる事と言い換えれます。

共通感覚は同情とは違う

そうなると共通感覚=同情と考えがちですが、あくまで同情とは意味が異なります。
同情は相手を憐れむ感情であって、無意識で下にみている感情です。
共通感覚とは、一体の感情を持つことであって、その根底には相手への尊敬の感情があります。

共通感覚には上下関係も、支配関係もなく、間違った思い込みやネガティブなセルフトークも必要ないと言えます。

笑いと楽観の重要性



建設的な人に関連することでは、“笑い”や“楽観”が非常に重要であることもわかっています。

「悲しみは自分と他者を離反させ、喜びは結びつける」

とアドラーが言っているように、前向きな考え方は、自分への勇気づけになります。

楽天主義と楽観主義は違う

そうなると、“楽天主義”と“楽観主義”の両者には似たようでも大きな違いがあります。

・楽天主義:「きっといいことがあるさ」と根拠もなく思って笑顔でいること。これではいざ悪いことが起こったとき、笑えなくなってしまう。
・楽観主義:悪いことが起きても「最善の策を考えれば大丈夫」と思うこと。楽観主義なら笑う余裕もあるし、冷静な判断力も備えられている。

楽天主義は根拠がないので、いざ悪いことが起こったとき笑えなくなってしまうのに対して、
楽観主義は事前に備えているので笑う余裕もあるし、冷静な判断で観る事ができます。

思考回路を変えて目的に向うこと



アドラー心理学では、意識と無意識は矛盾しない同じ一個人として捉えています。
意識、無意識、理性、感情の矛盾というものは存在せず、意識、無意識、理性、感情は分割されずお互いに補い合うということです。

ただし、“意識”と“無意識”は対立しませんが、“理性”と“非理性”の思考回路は対立します。

・理性の回路:「理性で動く」というように、感情を抑え、目的の為に何をしたらよいかを考え行動する。
・非理性の回路:感情に任せて行動する。相手を怒鳴り散らしたり、相手を責めたり、攻撃的になりやすい。

人が目的にむかって行動をおこすとき、このどちらかの回路を使うことになります。
この回路の違いを作業療法の臨床や現場のクライアントに当てはめると、結構合点がいくこと多いような気がします。

劣等感をバネに変える

その行動が“非理性の回路”経由の場合、ほとんどは背景に“劣等感”が隠れていることが多いといえます。
その“劣等感”に対しての反発が、“怒る”や“攻撃する”という二次感情として現れます。

ただ、この劣等感は健全な心の働きであることも忘れてはいけません。
目的論から考えれば、劣等感をバネに変えて、大きく成長すればよいだけ…となります。
その劣等感を上手に使い、「負けないように○○しよう」と自分を高めるための目標を新たに設けることを、アドラー心理学では“優越性の追求”と呼んでいます。

挫折や失敗から学び「失敗は成長のもと」として今後に生かすことが重要になってきます。

まとめ

対人関係において重要なのは、感情に振り回されずその目的をしっかりと見極める事が重要ということになります。
より建設的な人になるためには、共通感覚や楽観主義、目的論、そして優越性の追求を忘れないようにすることと言えますね!

作業療法士は語りたい!

感情の表出の背景には目的があるって見方は、
クライアントの心理を把握する場合にも必要な切り口だろうね。
高次脳機能障害でも、認知症でも、
その閾値に高低差があるだけで、背景の劣等感の感情の有無には違いないでしょうからね!