MODAPTSによる作業分析の方法やメリットについてまとめてみた!

MODAPTSという作業分析の方法を知っていますか?
元々はサーブリッグ分析同様、産業工学の分野で使われている作業分析方法ですが、この方法は作業療法の臨床や現場においても非常に有効な方法と言われています。
今回はこのMODAPTSについての概要についてまとめてみました!

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MODAPTS(モダプツ)とは?

MODAPTS(モダプツ)とは、産業工学(IE)の手法であるPTS法の一種で、オーストラリアの“G.C.Heyde”がアメリカの工業会で発達した作業動作時間測定法である“MTM”に改良を加え開発しました。
サーブリッグ分析に時間値をつけたもの…と表現されることもあります。
人間の随意動作は身体の障害がなければその動作を行う時間には個人差がほとんどありません。
そこでMODAPTSでは人間の上肢の動作を中心とした基本動作を、21個の記号で表し評価します。
その21個の基本動作を基に作業評価や所要時間の設定に生かすことができます。

MODAPTSのメリット


このMODAPTSを行うことで得られるメリットは以下のとおりになります。

①作業や道具操作の所要時間を、作業動作、道具の操作動作から実際に計測しないで予測できる
②作業のムダや無理の部分を、時間尺度に評価できる
このようなメリットがあげられます。

作業療法における作業分析を行う際、クライアントが実際にその作業を行う環境(自宅や職場etc)で作業分析を行う必要があると言われています。
しかし様々な理由でその環境下での評価や分析が行えない場合、MODAPTSを取り入れることで訓練場面(OT室や疑似設定した場面)での評価としてもその質をあげることができるのでは…と考えています。

加えて、作業のムダや無理の部分を時間尺度で評価することもできるので、より効率的な作業につなげるための動作改善、環境設定に応用することもできます。

MODAPTSの方法

ではどのようにMODAPTSは行われるのでしょうか?
MODAPTSの基本理論を元に考えていきます。

MODAPTSの基本理論

人間の上肢(腕、手、指)によって行われる動作は、、、

・移動時間(Movement Classes)
・終局動作(Terminal Classes)及び移動
・いずれにも含まれない動作

空間的な動き…つまり「移動動作」と操作対象物に近づいたときに起こる動作…移動動作の終わりに位置する動作である「終局動作」、そしてそのどちらにも含まれない動作の3分類です。
これらは通常単独では起こらず、『移動動作→終局動作』という一対になって行われます。

また、各動作それぞれに数字が記載されており、これはその動作に必要なMOD(module:単位)値になります。
このMODは人間の最小単位として扱われ、

1MOD=0.129秒
になります。

では、それぞれの動作分類について詳細にみていきます。

移動動作について


MODAPTSではその動作を行う際に使用する身体部位によって時間値が異なります。

指 :M1
手 :M2
前腕:M3
上腕:M4
肩 :M5
*“M”は“Movement” 数字は時間値(MOD)を意味している。

終局動作について

終局動作には、

①操作対象物に手を伸ばした後、それをつかむ動作:G(Get)
②操作対象物を移動させた後、目的の場所に置く動作:P(Put)
の2種類があります。

さらにこの2種類の動作は「注意力」の程度によってそれぞれ分類されます。

掴む(G)の分類

掴む(G)の動作は、必要な注意力の程度によって、

接触:G0
簡単な掴み:G1
複雑な掴み:G3
*“G”は“Get” 数字は時間値(MOD)を表している
の3つに分類されます。

置く(P)の分類

置く(P)の動作は、必要な注意力の程度によって、

簡単に置く:P0
要注視:P2
組み合わせ:P5
*“P”は“Put” 数字は時間値(MOD)を表しています
の3つに分類されます。

移動・終局動作以外の動作

上肢によって行われる動作である“移動動作”、“終局動作”ですが、作業を遂行するにはその他の動作も必要になってきます。
MODAPTSでは、書きの10個の動作とそれぞれの時間値が設定されています。

    MOD
重量補正 物を運ぶ場合の重さの要素 L1(4kg増える度1MOD加算)
視線移動 視線の移動と焦点を合わせる E2
掴み直し 対象物の掴み直し R2
瞬間的判断 制限時間内の判断と決定 D3
足首の動作 足によるペダル操作(1回あたり) F3
圧迫動作 指や手で力を加える A4
手や腕のクランク運動(1回転あたり) 目的物を円運動させる動作のための手、腕による回転動作1回転 C4
歩行動作   W5
体幹の屈曲動作 立っている状態からかがみ、再び立つ一連の動作 B17
立位と着座動作 椅子に座っている状態から立ち上がり、再び腰を下ろすorその逆の一連の動作 S30

まとめ

MODAPTS法を作業療法士がクライアントの作業分析に使用することで、どんな内容、種類の作業がそのクライアントの残存能力によって行うことができるのか?を事前評価できることがわかりました。
またその作業を遂行するにあたって、ムリがないかどうか、無駄な部分がないかどうかも評価することができ、より効率的な…いわば実用的な作業の評価として応用することができると考えられます。

作業療法士は語りたい!

でもこのMODAPTS法に関する報告や文献って少ないですね。
この記事を書くために調べたんだけど、ほとんどが人間生活工学や経営工学の分野による報告で、
作業療法やリハビリテーション分野では非常に少ないようだね!
方法や内容を観る限りでは、サーブリッグ分析のように作業療法の臨床や現場でも応用できそうなんですけどね。
理由としては、習得するのに難しいこと、実際に使用するのに時間や手間がかかりすぎる事…なんかがあげられるかな?
たしかに、評価項目が多くて難しそう。。
こういう部分にうまくITの技術が入り込めばもっと作業療法士にとっても実用的になるんじゃないかな?って思うんだ!