産業リハビリ

両立支援コーディネーターが必要な理由と求められる能力とは?

“両立支援”の意味や目指す方向は理解できていても、クライアントの両立支援のためにコーディネーターにはどのような能力が求められるのでしょうか?
今回は両立支援コーディネーターに必要な理由と、求められる能力についてまとめてみました!

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そもそも両立支援コーディネーターはなぜ必要なのか?



クライアントの生活と仕事を両立するにあたって、両立支援コーディネーターはなぜ必要なのでしょうか?
結論から言えば、以下の2点が理由としてあげられます。
①医療という専門性と、社会福祉資源の複雑さのため
②クライアント-事業場-医療の共通言語が少ない

①医療という専門性と、社会福祉資源の複雑さのため



治療真っ最中のクライアント自身(家族も含む)にとって、治療に関しての医療的な内容、仕事や生活に関しての社会福祉資源的な内容は多種多様のため非常に複雑になってきます。
もちろん当事者であるクライアント自身で手続きなどを進めることもできるのでしょうが、やはりクライアントやその家族だけでは対処しきれない部分は多くなってきます。
そこで労働者であるクライアントと医療と職場の橋渡しができるようサポートする両立支援コーディネーターが必要になってきます。

②クライアント-職場-医療の共通言語が少ない



クライアントが治療と生活と仕事を両立していくためには、クライアント、職場、医療間の情報共有が必要です。
しかしそれぞれの業界や立ち位置の違いもあって情報共有するにしてもその言葉は共通言語ではないことが多く、相互不理解や温度差、解釈の違いなどが生まれてきてしまいます。
この課題解決のためにも、両立支援コーディネーターが“翻訳者”として間にはいる必要があると言えます。

両立支援コーディネーターに求められる能力とは?

では、上記のような理由から支援を行うにあたって、両立支援コーディネーターに求められる能力とはどのようなものになるのでしょうか?

個々によって様々かもしれませんが、以下の7点を両立支援コーディネーターに基本的に求められる能力としています。

①ソーシャルワーク技能
②各疾病に関する基礎知識
③障害に関する基礎知識
④メンタルサポート、労働衛生、関連法規など
⑤医療機関および就労関連施設の調査把握
⑥事業所側からみた就労に対する理解
⑦経験値を積みあげること

①ソーシャルワーク技能



両立支援コーディネーターの資格を取得する対象として、最初は社会福祉士のみだった背景もあるためか、ソーシャルワーク技能が非常に求められてきます。
本人、家族、職場からの傾聴や調整、浮上した問題点の整理を行う技術が必要とされます。

②各疾病に関する基礎知識



クライアントが治療をしている疾病についての基礎的な知識は必要になってきます。

③障害に関する基礎知識



その疾病から起こり得る障害についての理解、今後どのようにな経緯を辿っていくかの回復過程(予後予測)についても両立支援コーディネーターにとっては必要な知識になってきます。
また障害手帳の手続きや受けれる保障についても知っていないといけません。

④メンタルサポート



クライアント本人やその家族はもちろん、職場の担当者といった人へのメンタルサポートとしての役割も、両立支援コーディネーターは担っています。

⑤労働衛生、関連法規など



働くことを支援することでも、労働衛生をはじめとした仕事に関しての法規に関する知識は必要とされます。

⑥医療機関および就労関連施設の調査把握



自分が関わる地域においての医療機関、就労関連施設についての知識が必要になってきます。
どこに医療機関があって、どのような就労関連施設があるのかを知ることは、社会資源の把握につながります。

⑦事業所側からみた就労に対する理解



クライアントを受け入れる側である職場や事業所側の、就労に対しての理解も両立支援コーディネーターは知っておかなければなりません。
多くの場合、クライアントの治療中の疾病や障害に対してどのような配慮をすればよいのかわからないということがあります。
クライアントが働く職場側が抱える課題解決をすることも、両立支援には必要になってきます。

⑧経験値を積みあげること



座学での知識だけではなく、何よりも両立支援を実践し、事例を多く経験し、それを事例検討会やメール検討会で共有していくという経験値をあげる必要があります。

まとめ

両立支援コーディネーターという比較的新しい立ち位置で、どのようなことができるのかを明確にするには、何を求められているのか?を追求していく必要があります。
今回あげた両立支援コーディネーターが必要な理由と求められる能力を、コーディネーター自身が理解しておくことで自身の向うべき方向が明確になってくるのかと思うんです!

産業作業療法士は語りたい!

前述した“翻訳者”という捉え方はコーディネーターとしての立ち位置を理解するのにしっくりくる表現かもしれませんね!
結局、濃度の濃い支援をスムーズに行っていくためには情報共有が大前提だから、
その共有の障壁を低くするためにも両立支援コーディネーターが必要なのかもしれないね!
そうなると医療から労働関連法規、社会資源といった幅広い知識が必要なことからも、
“ゼネラリスト”としての能力が問われる職種と言えますね!!!
両立支援コーディネーターとしてのキャリアを構築していくには、その発想は必要だね!
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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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