リハビリテーション評価

臨床で作業療法評価結果の分析をスムーズにする4つの方法

 

作業療法の評価結果の分析を行う方法について、しっかりと把握していますか?
OTの臨床や現場では常に評価の視点でクライアントに接しているのですが、その評価結果を分析し発展的に応用する技術も必要になってきます。
ただどうしてもこの工程が苦手な若いOTが多いようにも感じますので、今回はこの評価結果の分析の方法についてまとめてみます。

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評価結果の分析方法について

結論から言ってしまえば、以下のような方法にまとめられます。

①評価結果を俯瞰的な視点で見直す
②評価結果をカテゴライズする
③帰納法、演繹法を利用する
④弁証法によって対立する物事を活かし発展する

①評価結果を俯瞰的な視点で見直す


単純に評価や測定結果だけを直接解釈しようとするのではなく、その評価結果を引き起こした背景を俯瞰的な視点で見ることで、その結果の位置づけがわかってきます。
身体機能でも精神機能でも、「おや?」と気になったことがあったらそこをフォーカスして見るのではなく、敢えて離れたところ、全体像を見直してみる…という癖をつけるとよいかもしれません。

例として脳卒中を発症して便秘傾向になった人がいるとするでしょ?
それをただ「便秘になってしまった」と捉えるか、
「便秘になった原因は腹部の筋緊張が低下したからでは?」と俯瞰的に捉えるかでその解釈も変わってくるんだ!
便秘の現象から、腹部の低緊張…
そして腰痛の発症や体幹の固定性の低下といったところまで広げられますね!
そうゆうこと!

②評価結果をカテゴライズする

身体領域で言ったらクライアントのROM-TやMMT、ブルンストロームステージから痛みの有無、さらに精神、認知機能としてHDS-RMMSE,CDTにはじまりコース立方体検査やFABなんかも行ったりします。
さらにそこに高次脳機能が加わったら、線分末梢検査や描画検査、BITなんかの検査バッテリーを使う場合もあるかもしれません。
このように様々な検査や測定を行ってその結果を羅列しても、どれがどれに繋がってそこから何が課題なのか…が詳しく読み取れなくなってしまう場合があります。
このような状態を防ぐためにも、評価結果をそれぞれカテゴリー分けすることで、前述した俯瞰的な視点で見る事ができ、頭の中で整理し解釈することができやすくなります。

③帰納法、演繹法を利用する


データ解析の方法に帰納法、演繹法というものがあります。

帰納法:多くの観察事項(事実)から類似点をまとめ上げることで、結論を引き出すという論法。
演繹法:「××だから、○○である」という論理を数珠つなぎにしていき、結論を引き出す方法。三段論法とも呼ばれる手法。

OTの臨床や現場においての帰納法とは、様々な検査、測定などの評価結果のデータを積み上げていき、その原理を探っていく作業です。
逆に、演繹法は「こういう原理があるから、こうなるんじゃないか?」という想定を行った後に実際の評価結果のデータと照らし合わせ答え合わせをする作業になります。

このように、評価結果先行で探るか、原理から探るかというスタート地点の違いはありますが、収集した評価結果を分析するときにはこの2つの方法をそれぞれ試して見る事で、幅広い解釈につながると言えます。

④弁証法によって対立する物事を活かし発展する

問題を解決し、結論を出す際に利用できる方法(哲学方法論ですが)に弁証法があります。

弁証法:対立する二つの事象のうち、どちらか一方を切り捨てるのではなく、どちらも取り込んで結論を導き出す手法。

OTの臨床や現場における弁証法では、そのクライアントのある物事を「正(テーゼ)」とした場合、それに反したり、矛盾するような物事を「反(アンチテーゼ)」、その両者を合わせたものを「合(ジンテーゼ)」という呼び方をします。

この合(ジンテーゼ)を作ることによって矛盾や問題点を克服し、より発展的な結論に結びつける作業になります。

この弁証法を臨床や現場の評価場面で応用する際の例えを考えたんだけど、
うまく文章で説明することが難しいんだ。
まあ、いろんな状況に応用はできそうですけどね!
他職種間の評価結果や解釈の違いを対立的に捉えるよりは、
ジンテーゼ的に捉える事でよりよい方針につながる…っていうイメージでよいのかと!

まとめ

このように評価や測定結果を集めるだけ集めても、その解釈を上手に行うことができない場合は上記のような4つの方法をそれぞれ試して見る事をおすすめします。
OTは単純に関節や筋といったフィジカルな部分だけをみるのではなく、その動作や作業の動きから、生活背景、心理状態や社旗的背景といった幅広い領域の解釈が必要になります。
その解釈をスムーズにするためにも、これらの方法を使うことで今まで端的にしかできなかった解釈を広く深める事ができ、より作業療法サービスをクライアントに提供できることになるはずです!

作業療法士は語りたい!

たしかに評価や測定の方法は習っても、
その解釈の方法って習ったことなかったかもしれませんね。
この解釈って経験やセンスに頼ってしまうって風潮があるからね。
もちろん経験やセンスによって高まるものではあるけれど、
それだとOT間でも格差ができてしまうのは問題だと思うんだ。
ある一定の水準の力を身に着けるためにも、
体系化した方法を学ぶ必要があるんでしょうね!

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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