福祉用具

作業療法士がICT技術の活用に力を入れるべき2つの理由

作業療法士が扱う領域に福祉用具がありますが、こらからのリハビリテーションによる支援の幅を広げていくためにもICT技術について知っておく必要があると思います。
そこで今回は「作業療法士がICT技術の活用に力を入れるべき2つの理由」について!
「ICTってなーに?」ってリハビリセラピストならなおさら必読です!!

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ICTとは?

そもそもICTとはどのようなものを指すのでしょうか?
調べてみると、以下のような文言を見つけました!

ICTとは情報・通信に関する技術の総称。
従来から使われている「IT(Information Technology)」に代わる言葉として使われている。
海外では、ITよりICTのほうが一般的である。
引用:コトバンク

ITという言葉はもう広く一般的に浸透している印象を受けますが、ICTとなるとまだ「?」となる方が多いような気がします。

ITという言葉が「Information Technology」の略称であるのに対し、ICTは「Information and Communication Technology」の略称になります。
この言葉からみてもほぼITとICTの言葉としてはほぼ同義ですが、ITよりもICTのほうが「情報(Information)と交流(Communication)の技術」とやや広い範囲を指している印象を受けます。

作業療法士がICT技術の活用に力を入れるべき2つの理由

さて、そこで今回のテーマの本題。
作業療法士がICT技術を活用することに力を入れるべき理由についてです。

作業療法が関わる領域において、ICT技術は大きな枠組みでは以下の2つの活用方法があげられます。

①評価機器として
②支援機器として

評価機器として

まず、ICT技術は作業療法の分野の評価機器として非常に有効だと考えられます。
クライアントの心身機能や生活能力を評価する、測るということは非常に客観的な視点が必要になります。
そこに評価者自身の感情や状態、技術力といったバイアスがかかってしまうと、いくら数値を出したとしてもその正確性は低いものになってしまいます。
エビデンスを意識したリハビリテーションを展開するためにも、バイアスがかからない方法を使用した評価が必要になってきます。
作業療法のエビデンスを追求するなら、医工連携が重要だと思う。の記事でも触れましたが、この評価には工学系の技術が非常に適切になると考えています。
ICT技術と工学(特に情報工学)は非常に密接ではありますから、作業療法士は臨床や現場においてこのICT技術を評価機器として利用することでより適切で正確で効率的な評価を行うことができると考えられます。

例としてあげるなら、
・クライアントのバイタルをウェアラブル機器でリアルタイムで測定しながらリハビリ介入を行える。
・タブレットやスマートフォン、PCの脳トレソフトを使用し、経時的な変化を取ることができる。
・遠隔管理システムによって在宅生活をしているクライアントの生活状況の評価をすることができる。

…なんてことが可能になってくるかと思います!
この評価機器として活用できる部分は、ICTの「Information(情報)」の部分が強いでしょうね!

支援機器として

もう一つがICT技術を支援機器として活用できるという点です。
評価機器としての活用が「Information(情報)」の要素が強いのに対して、支援機器としての活用は「Communication(交流)」の部分が強いかと思います。

従来であったら支援機器、福祉用具などはそのクライアントに合わせて作業療法士がオーダーメイドで制作し対応してたと思います。
もちろんこのアプローチは必要ですし、正しいと思いますが、アナログの部分が強いのでやはり限界があるように感じます。

そこでICT技術という比較的新しい技術を作業療法士が知ることだけでも、支援機器として活用の幅は非常に広がるかと思います。

例としてあげれば、
・上肢操作が困難なクライアントに対してのスイッチ制作
・寝たきりのクライアントに対しての汎用的かつ安価な環境制御装置としての活用
・ALSなどコミュニケーション障害のクライアントに対しての視線入力による活用
・オンラインを利用した他者交流と社会参加支援

…などがあげられます。
もちろんまだまだできることは多くあると思います。

ICT技術は非常に作業療法士的な技術だと思う

少し概念的な話ですが、手が動かない、足が動かないというのは生活を遂行するための手段の喪失になります。
食事や排泄、整容動作といったADLも、その能力低下というのは、あくまで適切な社会生活を遂行するための手段の喪失という捉え方になると思います。
決して食べるために生きているわけではありませんし、着替えるために生活をしているためではありません。

支援機器の活用という枠組みは作業療法の分野で言えば“代替的アプローチ”としての色が強いと思います。
昨今の作業療法業界はどうしても心身機能の回復を軸に考える“医学的アプローチ”に傾倒しがちな印象を受けます。
言ってしまえば理学療法士的なアプローチですね。

作業療法士の支援目的はあくまで“生活の質の向上”であって、その手段として医学的アプローチ、代替的アプローチがあります。
じゃあこの“生活の質の向上”ってなんだ?って言えば、突き詰めるところ最終的には“社会参加”なんだと思います。

「人間は社会的な動物である」(アリストテレスでしたっけ?)という言葉があるように、人はどこかで他者と関わらないと生きていくことはできません。

他者との交流…つまりコミュニケーションがないと、人は“生存”することはできても“生活”することはできないと思うんです。
作業療法士が心身機能の支援…“生存支援”だけではなく、“生活支援”を目的とするならば、このコミュニケーションの部分を支援するのに長けているICT技術は非常に強力な作業療法士的な技術と言えます。

まとめ

とは言っても、ICTについて詳しい作業療法士はまだまだ少ないような気がします。
個人的にICT技術をはじめ、ウェブ、オンライン、ウェアラブルなんてキーワードのものは大好物(笑)なので、非常にこの分野を勉強するのは楽しくもあります!
最近では一般社団法人ICTリハビリテーション研究会というのも設立された流れからも、リハビリテーション領域においてもICTの分野は注目されていると感じます。
目の前のクライアントの生活支援のためにも、作業療法士は“知っておく”程度でも知識を養っておくべきかもしれませんね!

作業療法士は語りたい!

せっかく2017年に福祉情報技術コーディネーター1級の資格を取得したのに、
まだまだ活用しきれてないのもなんだか寂しいんだよね(笑)
なんだかんだで、あの資格って今ストップしちゃってますからね(苦笑)
ICTの技術はすごい早さで発展してるから、資格制度にするにも内容の更新が追い付かないんだろうね。
作業療法士がICTを学ぶ際にも、どんどん最新の情報を取得していくぐらいの気持ちじゃないと、すぐに古い情報になってしまうかもしれませんね。。

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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