精神・心理学

リハビリセラピストが使えそうな15の心理テクニックをまとめてみた!

最近“日常で使える心理学”という記事を見つけ読んでみたんですが、これがなかなか面白い!
この心理学のテクニックって、人を相手にする作業療法士をはじめとしたリハビリセラピストにももちろん応用できるのでまとめてみました!

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1.ハロー効果


“ハロー効果”とは、ある対象を評価をする時にわかりやすい、はっきりとした特徴に引きずられて他の特徴についての評価も歪められてしまう現象のことを言います。
一般的にポジティブな方向への歪みを指すことが多いようですが、ネガティブな方向へのハロー効果も存在するようです。

リハビリセラピストが着ている制服(ケーシーや白衣)などもしわくちゃだと、それだけで「この先生、大丈夫かな?」とクライアントに思われてしまいます。
“身だしなみ”の基本にもなるのでしょうが、見た目をきちんと意識することはハロー効果から考えても、リハビリセラピストがクライアントに介入し、信頼関係を築くためには必要なことになるのかもしれませんね!
逆に、身だしなみもふるまい方もビシッと決めていると、それだけで「できるリハビリの先生」としてクライアントは感じてくれるかもしれませんね!

2.単純接触効果


“単純接触効果”とは、繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果を言います。
人は、何度も見たり、聞いたりすると、次第に対象物に対して良い感情が起こるようになってきます。
たとえば、よく会う人や、何度も聞いている音楽は自然に好きになっていくもので、見たり聞いたりすることで作られる無意識下にある“潜在記憶”に気が付かないうちに残ってしまう…という効果からくるものらしいです。

この“単純接触”の対象は、図形や、漢字、衣服、味やにおいなど、様々なものに対して起こります。

この“単純接触効果”の例ですが、自分のリハビリ介入時間以外でも、クライアントに声をかけたりすることで信頼関係が築ける…ってなところですかね?
当然と言えば当然なんですけど、これができていないPT、OTが多いこと多いこと(苦笑)。

3.バーナム効果


“バーナム効果”とは、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす表現を、自分だけに当てはまる正確なものだと捉えてしまう心理学の現象を言います。

リハビリの臨床や現場においては、クライアントの悩みに対して傾聴し、それに対して何かしらアドバイスを加える際にこの“バーナム効果”を意識した概念的なレベルでのアドバイスに敢えて抑えることで、
クライアントは自分で自分に必要な解釈でアドバイスを受ける…ってことがあります。
…まあ、なんだかちょっといやらしいですが(苦笑)

4.シンメトリー効果


“シンメトリー効果”とは、歪みやズレを感じさせない左右対称の物・人に対し、「美しさ」や「安定感」、「誠実さ」や「本物感」などを感じ取る効果の事を言います。
意識的に対称性を作り出す事で、全般的な好感を印象付ける効果の事になりますね!

病院の間取りや物品の配置なんかも、シンメトリー効果を意識している場合が多いんです!

5.ドアインザフェイス(過大要求法)


“ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック”とは、依頼や交渉の際、最初に難度の高い要求を出して相手に一旦拒否させておき、それから徐々に要求水準を下げていく話法のことを言います。
先に提示した要求を目くらましにして、最終的に、こちらの最も望ましい要求を承諾するよう相手を導く手法になります!

よく言われる例としては、デートをしたい相手に「結婚してください!」といっても断られるが、徐々に「付き合ってください」→「お友達から」→「ご飯だけでも」と要求を小さくしていくことでOKをもらいやすくする…といったところでしょうか(笑)

例としては、リハビリの現場で歩行訓練に拒否的なクライアントにどうしても歩行訓練を促したい!…なんてときは、最初に「病院の外をぐるっと散歩しましょうか?」といったような何度の高い要求を出したうえで、「じゃあお部屋の窓のところまで行って外の天気の様子みてみましょうか?」といった要求水準を下げて促していく…みたいな感じですかね!(笑)

6.フットインザドア(多段階要求法)


“フットインザドア”とは段階的要請法ともよばれる方法です!
依頼や交渉の際、相手が承諾しやすい要求から始めて、徐々に要求を大きくしていく話法のことで、小さな要求への承諾をステップとしながら、最終的に、こちらの最も望ましい要求を承諾するよう相手を導いていきます。

前述した“ドアインザフェイス”とは対の位置にあるアプローチです。
リハビリの現場においては、クライアントが承諾しやすい介入(ベッドから起きるetc)から少しずつ離床につないでいき歩行に…なんて介入が例にあげられますかね?

7.バンドワゴン効果


“バンドワゴン効果”とは、所謂“サクラ”を使ってその場の雰囲気を意識的に作り、そのムードや勢いに乗ってこちらの目的に持ち込む方法を指します。
大多数の人が「良い」、「賛成」と評価しているものは自分にとっても良いものだろう、という思い込みを利用したテクニックです!

案外、学会なんかのポスターセッションの際この“バンドワゴン効果”を意識して同僚や後輩を自分のポスターの前に並ばせておくのって…ありでしょうかね?(笑)

8.セルフ・ハンディキャッピング


“セルフハンディキャッピング”とは、自分自身に“ハンディキャップ”を課すことで、たとえ失敗した時でも言い訳ができるようにしておく行為を言います。
失敗した時にはその言い訳によって自分の評価の低下をより小さくすることができ、成功したときにはハンディキャップを乗り越えた自分への評価の上昇を期待することができます!

9.サブリミナル効果


“サブリミナル効果”とは、人間が明確に認知・意識する事ができない領域に対しそれと認知し辛い音声や文字、映像による働きかけを行う事によって何かしらの欲求が喚起される効果の事を言います。

リハビリテーション室や病棟にリラクゼーションCDをBGMに流しておく…なんてのは、このサブリミナル効果を狙っていると言えます。

10.ロミオとジュリエット効果


“ロミオとジュリエット効果”とは、特定の目的を持っている場合、障害があった方が逆にその障害を乗り越えて目的を達成しようとする気持ちが高まる心理現象の事を言います。
例えば、恋人の親がその恋愛に反対し、2人の仲を引き裂こうとすると、逆にその恋人同士の感情が強まってしまう場合によく言いますね!

マイナーなテクニックや理論に傾倒するセラピストなんかは、この影響うけてるのかな^なんて思いますね!

11.希少性の原理


“希少性の原理”とは手に入りにくいものほど貴重なものだと考える傾向のことです。

リハビリ関係のセミナーも、年に何回も開催されるようなセミナーより、数年に1回しか開催されないセミナーのほうが集客が高かったりするのもこの“希少性の原理”に当てはまるのでしょうね!!

12.ピグマリオン効果


“ピグマリオン効果”とは、1964年に米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱された、「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」という主張を言います。

新人教育、学生指導においても適度な“期待”をきちんと示すことで、それに応えようと努力する…なんてこと多くみられますからね!

13.宣言効果


“宣言効果”とは、ある目標を達成するために、あらかじめ周囲に目標を宣言するとその目標の成功率が上がるという効果です。

これってクライアントにとって非常に必要なことかななんて思います。
長期目標、短期目標といったリハビリテーション目標をセラピストとともに決め、それをしっかりと周囲にも宣言する!ってことは案外クライアント本人の能動性を高めるためにも必要なのかななんて思います!

14.割れ窓理論


“割れ窓理論”とは、窓ガラスを割れたままにしておくと、その建物は十分に管理されていないと思われ、ごみが捨てられ、やがて地域環境が悪化し、凶悪な犯罪が多発するようになる…という犯罪理論を言います。
軽犯罪を取り締まることで、犯罪全般を抑止できると解釈されています。

地域リハを考える際に、“地域”っていう環境をいかに安全なものにするという配慮も必要になってきます。
ましてや一人暮らしの高齢者が多い中、地域生活を支える立場である作業療法士は、専門ではないにしても“防犯”という部分にまで意識を向ける必要があるのかもしれません!

15.プラシーボ効果


“!プラシーボ効果”は薬でも無いはずの物を飲んだのに薬を飲んだ時と同じように症状が回復すること…などを言います。
つまり“思い込みの力”は非常に優れているということになります。
これは自分自身が想定する平均値を現状よりも上にズラすことによって、実力以上の成果を残せるということが可能となるともいわれています。

クライアントへのリハビリテーションを行い、本人の身体的、精神的な変化を、介入効果よりも高めていくためには、ポジティブフィードバックを利用したプラシーボ効果を狙った声掛けが必要になってきます!

まとめ

こういう心理学とかのテクニックって、結局のところちょっとしたコツ程度のものなんですが、クライアントに対しても、同僚や上司、後輩スタッフ対しても利用できますので、覚えておいて損はないかと思います!
個人的にはリハビリ介入すら拒否的なクライアントに対して、“単純接触効果”を軸とした関わり方を行うと結構良好な関係を築けることが多かったですね!

作業療法士は語りたい!

作業療法士は精神、心理もカリキュラムとして勉強するし、
なにより“心”も介入対象なわけだから、もっとこういう心理学の知識も取り入れるべきかもしれませんね!
この心理に作業療法士ならではの、“作業”や“活動”、“行動”といった視点まで組み込めれば、より実践的なテクニックに昇華できると思うんだよね!

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OT愛東

臨床15年目の作業療法士。
作業療法士としてのキャリアと同時に、音楽関係、アパレル関係、ナイトビジネスなどの経験を経て現在ウェブ事業の展開も行っている。
現在は作業療法士のキャリアアップを目的としたウェブメディア『作業療法プレス』をはじめ、複数のブログメディアを運営。
また、自身の様々なキャリアから、改めて「働き方」を考え、支援するために“働きにくさをリハビリする”産業作業療法研究会を設立。
日本作業療法士協会会員・日本職業リハビリテーション学会員・両立支援コーディネーター

OT若菜

臨床3年目の新人作業療法士。
手先が器用なため、手工芸を用いたアクティビティでの介入が得意。
これといった趣味はなく休日は家でダラダラしている。
現在彼氏募集中。
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